長野県大町市 では2017年より約3年ごとに 北アルプス国際芸術祭 を開催しています。
今回の開催期間は、2024年9月13日(金)~11月4日(月)の約1ヶ月半で、
11の国と地域から参加したアーティストたちの、あわせて38作品 を見ることができます。
作品は大町市内の各所に散らばって展示されており、市街地エリア、仁科三湖エリア、東山エリア、源流エリア、ダムエリアの5つ があります。
パスポートは、一般 3,000円、16-18歳 1,500円、15歳以下無料で、開催期間中すべての作品を見ることができるうえ、
パスポートを提示することで、飲食店、宿泊施設、イベント割引などの各種優待もあるそうです。
その中のひとつ、東山エリアの 旧中村家住宅 にある 記憶の眠り という作品を見てきました。
旧中村家住宅は1698(元禄11)年に建築された民家で、建立年代が明らかなものとしては県内で最古、東日本でも最も古い民家のひとつです。
周りはのどかな田舎の風景。道には栗が落ちていました。
通常は大人310円の入場料ですが、今回は芸術祭のパスポートで入れます。
10ヶ所以上回るならパスポートを買った方がお得ですが、そんなに回れそうにないなら個別(1ヶ所300円)の支払いもできます。
民家の中は、間口14間、奥行6間で建坪は84坪。
安永9年(1780)建築の土蔵と共に 国の重要文化財 に指定されています。
※土蔵は2枚目の真ん中の左側に半分写ってます
作品は麻のカーテンをくぐった先にありました。
ガラスのあいだに植物を挟んで焼成した作品。
植物はこの土地で採取したもの。
ガラスは黒部ダムの建設事務所として使われた建物で使用されていたものを使っているとのことで、
当時のままを残したいということから、あえて汚れや指紋は拭き取らずに残しているようです。
黒部ダムの建設に関わった方たちの指紋が残っているかと思うと、また感慨もひとしおですね。
作者は 佐々木類(1984年高知県生まれ、埼玉県と茨城県育ち、石川県拠点)。
築300年の古民家に残る記憶と共に、植物はガラス内で灰となり、放出された空気や湿気は泡となって、土地の記憶をガラスに刻む
・・・というガラスのインスタレーションは幻想的でとても美しかったです。
旧中村家住宅、芸術祭の開催期間中は 開館時間:午前9時30分~午後4時30分、休館日:水曜日 だそうです。
ぜひ 記憶の眠り の世界に浸ってみて下さい。
☆-----★-----☆-----★-----☆-----★-----☆