みう と 青

みうと青の共同ブログ。
知ってる人には言えないけど、知らない誰かの通り過ぎる場所で呟きたい独り言があるのです。

デトロイト

2018年02月09日 23時33分22秒 | みう・映画とか本とか音楽とか
こんばんにゃ。

「デトロイト」見てきました。
全体的に、予想通りの仕上がりでした。

ネタバレに
なってる
かもしれません。

自分は偉い!的な勘違いバカの恐ろしさを描くのが相変わらず上手でした。

役者さんも本当にクソ野郎で、出てきた瞬間、やらかす前から「よくこんなタチ悪そうな人を見つけてきたな」と思わされる存在感で、序盤から中盤までひたすらクソ野郎なのですが、終盤に裁判所で歌手のリードくんと目があった時のニヤリとした笑いには、改めて背筋が凍りました。
本当にクソ野郎でした(褒めてます)

暴力描写も相変わらず的確で、監督の人間性を疑いたくなります。
見てるだけで消耗します。
アクションに昇華されてない分、カタルシスがなくて、とにかく堪えます。

また、暴力による物理的な痛みだけでなく、やられた人の心や、暴力の近くにいただけの人の心がズタボロにされていく様も、こちらの心を抉ります。

暴力的なシーンがクローズアップされがちな作品、監督だと思われますが、それとは別で、アーティストとしての黒人が興味深かったです。

音楽も消費されてなんぼだとは思われますが、消費者の種類によってはアーティストの誇りまで消費されていきそうな感覚は、やるせないものがありました。
被害妄想的な部分もあるとは思いますが、公民権法が施行されてなお、搾取する側される側的な当時の構図が透けて見えるようでした。

長々と書いてしまいましたが、
もう全ッ然面白くないです。
見てて楽しいことなんて、ほぼ無いです。
(リードくんの歌声くらいです)
でも、たくさんの人に見て、考えて欲しくなる映画でした。

この監督に似合うテーマは、現代にもたくさんあると思います。
でも、あえて1967年の事件を、今、取り上げたって事の意味を考えねば。
ってか、もうみんな分かってるんだから、ちゃんとせねば!
そんな風に思いました。