読書日和

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「ハイドラ」金原ひとみ

2007-06-05 23:51:33 | 小説
私の一番好きな作家は綿矢りささんです。
小説が面白いのはもちろんのこと、年が近いので応援したいというのもあります。
そしてこの年代には、強力なライバルがズラリと並びます。
島本理生さん、青山七恵さん、金原ひとみさん。
いずれ劣らぬ精鋭揃いですね
この4人の本のうち、唯一読んでなかったのが金原ひとみさんです。
何となく敬遠がちだったもので
今回は初めて金原ひとみさんの本を手にとってみました。

というわけで、今回ご紹介するのは「ハイドラ」(著:金原ひとみ)です。
読んでみて、やっぱりやめておけば良かったと思いました
序盤から雰囲気が沈んでいて、読み進めていくごとに憂鬱になっていく感じです…。

主人公は「早希」という女性で、年上のカメラマンと付き合っています。
早希には「噛み吐き」という、食べ物を噛んで飲み込まずに吐いてしまう秘密があって、これがグロテスクでした…。
沈んだ雰囲気をさらに沈ませてしまうものでしたね。
年上のカメラマン「新崎さん」は恋人なのになかなか登場しませんでした。
新崎さんとの会話は数えるほどしかなかったような…。

早希が途中から新崎さんに内緒で付き合う「松木さん」は数少ない明るいキャラでした。
松木さんはロックバンドのヴォーカルをやっていて、このバンドはかなり売れているらしいです。
でもこの松木さんも暗い過去を持っています。
登場人物の多くが何か秘密を持っているのが印象的でした。
金原ひとみさんは意識的に暗い雰囲気を作っているのかも知れませんね。
まったく読めないほど暗くはないのがポイントです。
途中何度か読むのをやめようとはしたものの、最後まで読むことが出来ました。
でも読みやすいとは言えないですね
この前読んだ「格闘するものに○」とは全く違う作風でした。
ギャグの要素はなく、終始シリアスな展開が続きます。
ページ数は137ページと少ないので、短い時間で読むことができるのは良いかも知れません。
それでも私はなかなか読み進めることができませんでしたが(笑)
シリアスな展開が好きな方は、ためしに読んでみるのも良いかと思います。
それではまた。

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