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読書日和

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「極め道」

2007-06-20 23:50:29 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは「極め道」(著:三浦しをん)です。
最近文庫化されたエッセイで、面白そうなので購入しました。
内容は、インターネットサイト「しをんのしおり」に連載されていたものをまとめ、加筆したものです。
読んでみると、改めて三浦しをんさんの表現力はすごいと思います。
何気ない日常も、しをん先生の手にかかればドラマチックに変身しますね
参考までに、一部をご紹介。
以下は、冒頭の「正直は美徳か?」で、しをん先生とガラの悪い男がすれちがったときの場面。

私たちは、ちょうど街頭の下ですれちがった。と、彼はおもむろにグラサンをずらし、私を一瞥して、
「ブス」
とのたまい、行き過ぎていった…
おい、ちょっと待てやコラァ。なめとんのかワレ。


しをん先生激怒!?
まあ、これは誰でも激怒しますね
通りすがりざまに暴言を吐くとは、とんでもない男がいたものです…。


以下は、しをん先生の酒豪ぶりがわかる文です。
「オゴりますよ、一緒に飲みましょう」と声をかけてきた哀れなよっぱらいサラリーマンたちの酒を、「あら、ありがとう」なんて言ってしこたま飲んで、ツブれる彼らを残して「終電だから」とサッサと帰ったわね。
フフフ、馬鹿な人たち。軽々しく女に酒をおごるもんじゃないわ。それに私たちは女じゃないの、牛なのよ。おいしい霜降りになるようにお酒を摂取してる最中の牛さんなのよ。

「牛なのよ」発言はウケました。
しをん先生に酒をおごるのは無謀な行為なのですね(笑)
今までしをん先生は、おしとやかなイメージがあったのですが、「極め道」を読んだら意外とハジケた人のような気がしてきました


最後に、かつてしをん先生が就職活動で格闘した?K談社関係の話をご紹介。
K談社との格闘については、こちらを参照。
「もし万が一、K談社から原稿依頼がくるようになったらどうするの?」という質問に対して、しをん先生は次のように自分を分析しています。

そんなにビッグになることはまずないので、それは捕らぬ狸の皮算用というもの。

ところが…。
2007年現在、しをん先生はかなりビッグになってます
昨年は直木賞を受賞しましたし。
今一番勢いのある作家かも知れません。
もしK談社から原稿依頼が来たら、しをん先生がどうするのか気になりますね。
「おい、ちょっと待てやコラァ。なめとんのかワレ」と言って返り討ちにしたりして(笑)

というわけで、しをん先生の本はこれからも読んでいきたいと思います。
直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」もいつか読みたいですね。
それではまた。

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。