今回ご紹介するのは、「西の魔女が死んだ」(著:梨木香歩)です。
-----内容-----
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女のもとで過ごした。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
-----感想-----
「西の魔女が死んだ」は、2005年に一度読んでいます。
今回はそのとき以来の再読でした。
ジャンルは児童文学ですが、大人が読んでも十分読み応えのある内容になっています。
小説の冒頭、まいはお母さんから電話で「西の魔女が死んだ」ことを聞かされます。
お母さんと車でおばあちゃんの家に向かいながら、まいは二年前のことを思い出すのです。
二年前、中学に入ったばかりのまいは、学校にいくのが嫌になってしまいます。
しばらく学校を休むことになったまいは、おばあちゃんの家に預けられます。
自然豊かなおばあちゃんの家で、心を休めることになりました。
おばあちゃんの家は都会の喧騒とは無縁の静かな雰囲気に包まれています。
そしてどこか幻想的。
広大な庭にはたくさんの緑があり、さらに裏庭や畑もあります。
ミントなどが植えてあるので、自家製のミントティーを作ったりもできます。
裏山には野いちごがたくさんあって、あばあちゃんとまいで採りにいってジャムを作ったりもしました。
そして物語の所々で、まいはおばあちゃんから魔女の心得を教わります。
おばあちゃんが言う魔女とは、「何でも自分で決める」という意思の力を持つことです。
何度かおばあちゃんがまいに、「魔女は自分で決めるんですよ。分かっていますね」と諭す場面がありました。
この魔女の心得は、まいがもう一度学校に行くようになってから生かされるようになります。
おばあちゃんは所々で名言を言います。
例を挙げると、
「意思の力をつけることの難しいのは、それに挑戦するのが意思の力の弱い人の場合が多いので、挫折しやすいということですね」
「魔女は自分の直感を大事にしなければなりません。でも、その直感に取りつかれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです」
こんな感じで、まいにいろいろなことを教えていくおばあちゃん。
二人は仲良く過ごしていたのですが、あることで喧嘩をしてしまいます。
まいがおばあちゃんの家から戻る日が来ても、完全には仲直りできませんでした。
そして仲直りできないまま二年が過ぎ、おばあちゃんの死を知らされ、まいは意地になって仲直りしなかった自分を悔やみます。
もう言葉を交わすことはできないのです。
でもクライマックス、奇跡が待っていました。
それによってまいの心は救われたのです。
「西の魔女が死んだ」は、今年の6月に映画が公開されるようです。
泣ける内容になるのではと思います。
小説のほうも、興味を持たれた方は読んでみてくださいね
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
-----内容-----
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女のもとで過ごした。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
-----感想-----
「西の魔女が死んだ」は、2005年に一度読んでいます。
今回はそのとき以来の再読でした。
ジャンルは児童文学ですが、大人が読んでも十分読み応えのある内容になっています。
小説の冒頭、まいはお母さんから電話で「西の魔女が死んだ」ことを聞かされます。
お母さんと車でおばあちゃんの家に向かいながら、まいは二年前のことを思い出すのです。
二年前、中学に入ったばかりのまいは、学校にいくのが嫌になってしまいます。
しばらく学校を休むことになったまいは、おばあちゃんの家に預けられます。
自然豊かなおばあちゃんの家で、心を休めることになりました。
おばあちゃんの家は都会の喧騒とは無縁の静かな雰囲気に包まれています。
そしてどこか幻想的。
広大な庭にはたくさんの緑があり、さらに裏庭や畑もあります。
ミントなどが植えてあるので、自家製のミントティーを作ったりもできます。
裏山には野いちごがたくさんあって、あばあちゃんとまいで採りにいってジャムを作ったりもしました。
そして物語の所々で、まいはおばあちゃんから魔女の心得を教わります。
おばあちゃんが言う魔女とは、「何でも自分で決める」という意思の力を持つことです。
何度かおばあちゃんがまいに、「魔女は自分で決めるんですよ。分かっていますね」と諭す場面がありました。
この魔女の心得は、まいがもう一度学校に行くようになってから生かされるようになります。
おばあちゃんは所々で名言を言います。
例を挙げると、
「意思の力をつけることの難しいのは、それに挑戦するのが意思の力の弱い人の場合が多いので、挫折しやすいということですね」
「魔女は自分の直感を大事にしなければなりません。でも、その直感に取りつかれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです」
こんな感じで、まいにいろいろなことを教えていくおばあちゃん。
二人は仲良く過ごしていたのですが、あることで喧嘩をしてしまいます。
まいがおばあちゃんの家から戻る日が来ても、完全には仲直りできませんでした。
そして仲直りできないまま二年が過ぎ、おばあちゃんの死を知らされ、まいは意地になって仲直りしなかった自分を悔やみます。
もう言葉を交わすことはできないのです。
でもクライマックス、奇跡が待っていました。
それによってまいの心は救われたのです。
「西の魔女が死んだ」は、今年の6月に映画が公開されるようです。
泣ける内容になるのではと思います。
小説のほうも、興味を持たれた方は読んでみてくださいね
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。