
先日菅総理が記者会見し、原子力発電の基本計画を一度白紙に戻し、もう一度議論し直すと表明しました。
従来の計画は2030年までに総発電量のうち50%を原子力発電で賄おうというものでしたが、福島原発の事故を受けて見直すことになったようです。
「原子力推進」という流れが、大きな分岐点を迎えたと思います。
事故の直後は、テレビでもネットでも「安易な原発廃止はすべきでない」という意見のほうが多かったと思います。
しかし時間が経った今、そうでもなくなってきました。
徐々に「もう一度よく考えるべき」という意見が増えてきたような気がします。
福島原発の事故とその後の様々な影響を見て、ひとたび制御不能に陥るとどうにもならなくなるのをまざまざと見せ付けられたのが大きな要因かと思います。
原発推進派の場合、反対派から「じゃあお前の町に原発を作れ」と言われると困るでしょうし、原発反対派の場合、推進派から「じゃあ電気が足りなくなったらどうするんだ」と言われると困ると思います。
また、原発を廃止した場合火力発電の増加が必至でしょうから、CO2の増加が避けられません。
原発ならCO2を出さないで発電することができます。
とはいえ原発を推進してまた今回の福島のような事故でも起きたら、とてつもなく大きな被害が出ることになります。
こんな感じで、メリットもあればデメリットもあり、一長一短です。
なので原子力基本計画の再議論も、メリットを主張する人もいればデメリットを主張する人もいて、簡単には意見がまとまらない気がします。
どのような結論になるのか分かりませんが、今度はデメリットの大きさについても真摯に考えながら議論していってほしいなと思います。