今回ご紹介するのは「ペンギン・ハイウェイ」(著:森見登美彦)です。
-----内容-----
ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。
毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。
ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。
このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした―。
少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。
第31回日本SF大賞受賞作。
-----感想-----
森見登美彦さんにしては珍しく、独特な笑える言い回しがない作品です。
「きつねのはなし」もそうでしたし、たまにそういった作品も書くようです。
主人公は「ぼく」ことアオヤマ君。
まだ小学四年生なのですが、すごく大人びた小学生です。
アオヤマ君は日常の気になったことをノートに書くのをライフワークとしていて、本人曰く「日本で一番ノートを書く小学四年生」とのことです
アオヤマ君はそのノートをもとに、これは重要だぞと思ったところは整理して新たにノートにまとめ、「研究」をしています。
「スズキ君帝国」や「プロジェクト・アマゾン」「お姉さん」「妹わがまま記録」など、研究内容はたくさんあるようです。
ある日、アオヤマ君たちが住む街に、突然ペンギンたちが現れる事件が起こります
しかも一度ならず、何度も。
アオヤマ君はノートに「ペンギン・ハイウェイ」という項目を作り、このペンギン事件の研究を始めます。
ペンギンたちが海から陸に上がるときに決まってたどるルートを「ペンギン・ハイウェイ」と呼ぶところから、アオヤマ君はこの研究を「ペンギン・ハイウェイ研究」と名付けました。
アオヤマ君は通っている歯科医院の「お姉さん」と仲良しです。
よく「海辺のカフェ」でチェスをしたりしています。
しかもどうやら、突然現れたペンギンたちは、このお姉さんが出現させたようなのです。
お姉さんが空に向かって投げたコーラの缶が空中でペンギンに変身するという、驚くべき現象が起きます。
本人にもなぜそんなことができるのか分からないらしく、アオヤマ君に「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか」と言ってきて、アオヤマ君はお姉さんの謎の力の研究も始めました。
アオヤマ君にはウチダ君という共同研究をする友達がいます。
水路を辿っていって、どこから水が流れてくるのか、水源を突き止める「プロジェクト・アマゾン」を一緒にやっていたりします。
ちなみにクラスには「スズキ君帝国皇帝」のスズキ君という子がいて、ドラえもんのジャイアンみたいにガキ大将として君臨していて、アオヤマ君やウチダ君はよく狙われていました。
しかしアオヤマ君は超理論派で淡々と理詰めで言い返すタイプなので、毎回スズキ君は言い負かされ、激怒して最後は力技で暴れてアオヤマ君をやっつけようとしていました
クラスにはハマモトさんという子もいて、アオヤマ君、ウチダ君と3人で<海>の共同研究を始めます。
<海>はハマモトさんが見つけて研究していた謎の物体で、森を抜けた先にある草原で、直径5mくらいの透明の球体が地上から30cmほど浮かんで静止しているのです。
球体の表面はボコボコ動いて活動したり、3人が球体内部の調査のために送り込んだ「探査船」を一瞬で消失させてしまったりと、危険な雰囲気を漂わせています。
<海>には「拡大期」と「縮小期」があり、ハマモトさんによれば拡大期が続くとある日突然「プロミネンス」という、大砲みたいに小さな<海>が飛び出す現象が起きるとのこと。
非常に謎めいた物体です。
お姉さんは3人が<海>を共同研究している草原にも現れたし、頻繁に登場します。
その正体はいったい何なのか、謎が謎を呼びました。
そしてやがて、「ペンギン・ハイウェイ」と<海>の研究は別々のものではなく、一つの問題なのではないかという考えが湧いてきます。
アオヤマ君はそこにはお姉さんの不思議な力も関わってくるだろうと考えます。
そうして物語は後半の、全ての謎を解き明かす段階へ。
散々アオヤマ君達の邪魔ばかりしていた「スズキ君帝国皇帝」のスズキ君が最後に協力してくれたのは、やっぱりなと思いました。
ドラえもんのジャイアンも映画だと野比のび太に協力しますし、何となくそんな気がしていました^^
第31回日本SF大賞を受賞するくらいなので、ファンタジー色の強い作品です。
クライマックスはちょっと切なくもありました。
しかしこの一連の不思議な事件を経験したアオヤマ君は寂しさを感じながらも大きく成長し、立派な大人になっていくに違いないと思える終わり方でした
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-----内容-----
ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。
毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。
ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。
このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした―。
少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。
第31回日本SF大賞受賞作。
-----感想-----
森見登美彦さんにしては珍しく、独特な笑える言い回しがない作品です。
「きつねのはなし」もそうでしたし、たまにそういった作品も書くようです。
主人公は「ぼく」ことアオヤマ君。
まだ小学四年生なのですが、すごく大人びた小学生です。
アオヤマ君は日常の気になったことをノートに書くのをライフワークとしていて、本人曰く「日本で一番ノートを書く小学四年生」とのことです

アオヤマ君はそのノートをもとに、これは重要だぞと思ったところは整理して新たにノートにまとめ、「研究」をしています。
「スズキ君帝国」や「プロジェクト・アマゾン」「お姉さん」「妹わがまま記録」など、研究内容はたくさんあるようです。
ある日、アオヤマ君たちが住む街に、突然ペンギンたちが現れる事件が起こります

しかも一度ならず、何度も。
アオヤマ君はノートに「ペンギン・ハイウェイ」という項目を作り、このペンギン事件の研究を始めます。
ペンギンたちが海から陸に上がるときに決まってたどるルートを「ペンギン・ハイウェイ」と呼ぶところから、アオヤマ君はこの研究を「ペンギン・ハイウェイ研究」と名付けました。
アオヤマ君は通っている歯科医院の「お姉さん」と仲良しです。
よく「海辺のカフェ」でチェスをしたりしています。
しかもどうやら、突然現れたペンギンたちは、このお姉さんが出現させたようなのです。
お姉さんが空に向かって投げたコーラの缶が空中でペンギンに変身するという、驚くべき現象が起きます。
本人にもなぜそんなことができるのか分からないらしく、アオヤマ君に「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか」と言ってきて、アオヤマ君はお姉さんの謎の力の研究も始めました。
アオヤマ君にはウチダ君という共同研究をする友達がいます。
水路を辿っていって、どこから水が流れてくるのか、水源を突き止める「プロジェクト・アマゾン」を一緒にやっていたりします。
ちなみにクラスには「スズキ君帝国皇帝」のスズキ君という子がいて、ドラえもんのジャイアンみたいにガキ大将として君臨していて、アオヤマ君やウチダ君はよく狙われていました。
しかしアオヤマ君は超理論派で淡々と理詰めで言い返すタイプなので、毎回スズキ君は言い負かされ、激怒して最後は力技で暴れてアオヤマ君をやっつけようとしていました

クラスにはハマモトさんという子もいて、アオヤマ君、ウチダ君と3人で<海>の共同研究を始めます。
<海>はハマモトさんが見つけて研究していた謎の物体で、森を抜けた先にある草原で、直径5mくらいの透明の球体が地上から30cmほど浮かんで静止しているのです。
球体の表面はボコボコ動いて活動したり、3人が球体内部の調査のために送り込んだ「探査船」を一瞬で消失させてしまったりと、危険な雰囲気を漂わせています。
<海>には「拡大期」と「縮小期」があり、ハマモトさんによれば拡大期が続くとある日突然「プロミネンス」という、大砲みたいに小さな<海>が飛び出す現象が起きるとのこと。
非常に謎めいた物体です。
お姉さんは3人が<海>を共同研究している草原にも現れたし、頻繁に登場します。
その正体はいったい何なのか、謎が謎を呼びました。
そしてやがて、「ペンギン・ハイウェイ」と<海>の研究は別々のものではなく、一つの問題なのではないかという考えが湧いてきます。
アオヤマ君はそこにはお姉さんの不思議な力も関わってくるだろうと考えます。
そうして物語は後半の、全ての謎を解き明かす段階へ。
散々アオヤマ君達の邪魔ばかりしていた「スズキ君帝国皇帝」のスズキ君が最後に協力してくれたのは、やっぱりなと思いました。
ドラえもんのジャイアンも映画だと野比のび太に協力しますし、何となくそんな気がしていました^^
第31回日本SF大賞を受賞するくらいなので、ファンタジー色の強い作品です。
クライマックスはちょっと切なくもありました。
しかしこの一連の不思議な事件を経験したアオヤマ君は寂しさを感じながらも大きく成長し、立派な大人になっていくに違いないと思える終わり方でした

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