読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

北村晴男弁護士のトークショー

2008-03-22 16:12:29 | ウェブ日記
今日はランドマークプラザに出掛けました。
午前11時半くらいに着いたのですが、その際、1階で何か催し物をしていることに気付きました。
何かなと思い行ってみると、今日は長野県のPRをしていて、ゲストとして北村晴男弁護士が来るとありました。
なぜ北村弁護士なのだろう。。。と思ったら、アナウンスの人が北村弁護士が長野出身と言っていたので納得しました。
12時からトークショーが始まるとのこと。
せっかくなので見ていこうと思い、しばらく待ちました。
そして12時、トークショーがスタート。


まずは長野県で活躍しているアナウンサーの方が挨拶しました。


そして北村弁護士が登場。
ちょっと見えずらいですが、椅子に座っているのがそうです。
出番を待っているところです。


そして北村弁護士が壇上へ。


行列のできる法律相談所で、丸山弁護士と何度も対決してきた北村弁護士。
でも実際に見る北村弁護士は、テレビで見るよりは愛想がありました(笑)
長野のことを、ユーモアを交えつつ熱く語っていましたね。
予期せぬ北村弁護士との遭遇で、予定にはなかったこの記事を作ることが出来ました

バイオリンと管弦楽のためのファンタジア

2008-03-22 15:04:14 | ウェブ日記
バイオリンと管弦楽のためのファンタジアは、世界フィギュアスケート選手権で浅田真央選手がショートプログラムで使った曲です。
とても印象に残ったこの曲。
もの哀しく、切なく、それでいて優雅で、聴いていると今までの思い出が頭をよぎったりします。
バイオリンの演奏がすごく良いです
ショートプログラムの演技を見ていたとき、曲名をメモしておいて後で調べることにしました。

そして今日調べてみたら、YouTubeにその曲がありました。
お聴きになる方はこちらをどうぞ。
でもYouTubeのを聴いてみると、ショートプログラムで流れたのとは曲調がちょっと違いますね。
私はショートプログラムで流れたほうのが好きです。
演技用にアレンジしたのかも知れませんね。
今まで興味のなかったバイオリンですが、この曲によって少しだけ興味を持ったのでした


「みどりのマキバオー」皐月賞編

2008-03-21 18:15:11 | マンガ
今回ご紹介するのは「みどりのマキバオー」(著:つの丸)です。
春のクラシックも間近に迫ってきているので、今回は皐月賞編のご紹介をしようと思います。

-----内容-----
北海道のみどり牧場で生まれた、犬のような白毛馬・マキバオーは、牧場の借金のために母馬を連れ去られてしまいます。
母馬との再会は悲しい結果になりますが、チュウ兵衛とも知り合え、マキバオーは競走馬になる決心をします。
1歳になったマキバオーは、怪物ホース、カスケードと会い、その実力におどろきます。
2歳になったマキバオーは競走馬になり、負けなしの3連勝をします。
そして朝日杯フューチュリティステークス、カスケードとの対決でついに負けてしまったマキバオーは、モンゴルへ修行にいくのですが…
(この内容は5巻のあらすじのものです。また朝日杯のレース名と馬齢表記は、最新のものに変更させて頂きました。)

-----感想-----
「白い珍獣」の異名を持つマキバオー。
それもそのはず、マキバオーの姿はどう見てもサラブレッドには見えない、犬のような小さな馬なのです。
そのマキバオーが様々な困難を乗り越え、競走馬となります。
ライバルたちもつわもの揃い。
「黒い帝王カスケード」、「不屈の闘将アマゴワクチン」、「爆弾小僧ニトロニクス」、マキバオーの世代にはライバルがたくさんいます。
そういったライバルたちとときに励ましあい、ときにぶつかりあい、成長していくマキバオー。
そして迎える皐月賞の晴れ舞台。

皐月賞編は単行本の5巻~6巻に収録されています。
マキバオーの話の中でも皐月賞編はかなり好きです。
モンゴルでの修行から帰ってきて、前哨戦のスプリングステークスを勝利したマキバオーは、皐月賞で堂々の一番人気に支持されます。
以下に皐月賞の本場場入場時の様子を、単行本のセリフを引用させて頂いてご紹介します。


皐月賞(GⅠ)中山競馬場 芝・2000m
ダービー・菊花賞に先がけて行われる
「3歳限定3冠レース」の第1弾
その一生に一度の晴れ舞台を踏めるのは18頭


「皐月賞は速い馬が勝つ!
今日の中山競馬場のメインレースは皐月賞GⅠ・2000m!!
3冠・最初の栄誉を手に入れるのは果たしてどの馬でしょうか!?
選ばれた18頭の本場場入場です」

「2枠4番はドバイで心身共に鍛え上げた漆黒の馬体!3戦3勝無敗の王者が帰って来た!! ”黒い殺し屋”いや”黒い帝王”と言ってもいいでしょう!! カスケードだあ!!!」

「6枠11番はこの馬だ!!驚異的な速さで骨折を克服しました!!”3冠相続人”まさに”不屈の闘将”です!!!アマゴワクチン!!」

「もうミーハー人気じゃないぞ!5戦4勝!!堂々の1番人気だあ!! 主役は大トリ8枠18番”東のアイドル・白い珍獣”ミドリマキバオー!!」


そしてレースがスタート。
レースの様子も、単行本のセリフを引用させて頂いて、ハイライト風に書いてみようと思います。


「4コーナー手前約1500mあたりを通過!!残りは500m!四分の一だ!!」

「や…やりやがった…ワクチンの野郎!」

「罠だ…罠は2つあったんだ…」

「行くなー!!マキバオー引けー!!」

「フッさすがカスケード…よく見破った…」

「なるほどな…お前が今回一番恐れたのはこの俺ではなく…先に行ったあいつら…いや! ミドリマキバオーだったって訳か…」

「どうしたマキバオー!?マキバオーまでもが一杯か!?」

「ウ…ウソだろ?オレ達がオーバーペースだなんてそんなはずは…」

「何てこった!!ミスだ!!騎乗ミスだあ!!!」

「くそ…俺としたことが大失敗だ…こんなペースで最後までもつわけがねえ…完全にマークする相手を間違えた!!このレース…勝つのは…あいつ(マキバオー)じゃねえ!!」

「そうだそうだった…オレは約束しちまったんだ…無敗のままで…世界へ行くと!!」

「抜け出したのはカスケード!!やはり強い!!体重減は関係ない!!本物だあ!!!」

「くそ…このままで…このままで終われるか…」

「なんとなんと…マキバオーが伸びている!!!残り50m!!マキバオーが来たーーっ!!!」

「うなる服部のムチ!!押しまくる山本の腕!!一騎討ち!!この2頭の一騎討ちだあ!!!」


というわけで、久しぶりに熱い記事となりましたが(笑)
「みどりのマキバオー」の皐月賞編、何となく雰囲気が伝われば幸いです。
このハイライトから想像がつくと思いますが、マキバオーはアマゴワクチンの罠にはまってしまい、絶体絶命の窮地に立たされてしまいます。
しかしそこからが白い奇跡・マキバオーの真骨頂
一旦はライバルのカスケードに先頭を譲ってしまいますが、驚異の勝負根性で再びカスケードに迫るのです
この後は予期せぬ展開になり、衝撃のラストとなります。
どのレースでも読む者を感動させてくれるマキバオー。
この皐月賞の後は日本ダービーへと進みます。
機会があれば、そちらのご紹介もしようかなと思います

フィギュアスケート世界選手権 浅田真央選手が優勝

2008-03-21 15:53:58 | スポーツ
今日の朝起きてめざましテレビを見たら、フィギュアスケート世界選手権の速報が伝えられていました。
まず浅田真央選手のショートプログラムの映像が流れて、その後フリーの演技の映像に切り替わりました。
このとき、最初の何秒かは、その映像がフリーの演技のものだとは思いませんでした。
なぜなら、浅田真央選手が、トリプルアクセルを飛ぶ前に転倒してしまっていたからです。
浅田真央選手がジャンプの踏み切りで転倒するところなんて見たことがないので、きっとこの映像は過去の練習風景か何かだろう、と思ったのです。
ところが、アナウンサーの人が
「フリーの演技、トリプルアクセルを飛ぶ前にまさかの転倒」のようなことを言っていて、その映像がフィギュア世界選手権のフリーの速報なのだとわかりました。

最初のジャンプでまさかの転倒をしてしまって、もうだめかと思いました。
でも字幕スーパーを見ると、奇跡の金と出ています。
ということは勝ったのかと思い、そのまま映像を見ていると、最初の失敗が嘘のように次々と技を決めていく浅田選手の姿がありました
185点くらいの点数になり、ショートプログラムでトップだったカロリーナ・コストナー選手を逆転。
見事金メダルに輝きました

まだフリーの詳しい映像を見ていないのですが、ほかの選手よりジャンプが一回少ないという状況で勝ったのはすごいと思います。
そしてまさかの失敗の後でも崩れない精神力の強さ、これが一番すごいです。
良い形で来シーズンにつながっていくのではと思います。

一方、安藤選手の棄権はとても残念でした。
練習中に足の肉離れを発症してしまったとのことなので、まずはゆっくり休んでほしいです。
本人としてもこの終わり方は納得いかないと思うので、来シーズンの雪辱に期待です!
彼女は肩にも故障を抱えているので、そちらもオフシーズンの間に治して、万全の状態で来シーズンに望んでほしいと思います。

今日の夜7時からはフリーの演技が放送されるので、楽しみにしています。
各選手がどんな演技をしたのか、注目しながら見ようと思います

フィギュアスケート世界選手権開幕

2008-03-20 16:33:44 | スポーツ
いよいよフィギュアスケートの世界選手権が開幕しました。
今日は女子ショートプログラムが行われます。
昨年の覇者・安藤美姫。
昨年末の全日本選手権、さらに二月の四大陸選手権を制した浅田真央。
この二人にも引けをとらない実力者・中野由加里。
今年はこの三人で挑む日本勢。

私は今年も安藤美姫選手を応援します
昨年の見事な優勝は見ている私も涙でした。
トリノの惨敗から立ち直って、浅田真央選手との激しい金メダル争いを制したあの姿、一年経った今でも覚えています。
フリーの得点が発表された瞬間、安藤選手は泣き崩れたんですよね。。。
あれからもう一年も経つんですね。
今シーズンは肩の怪我で苦しんでいますが、何とか頑張ってほしいです。

一年前はまだブログを始めて間もない頃でした。
安藤美姫選手の金メダルを見て、この感動を伝えたいと思って、夢中になって記事を書いた記憶があります。
そのときの記事はこちら。
よかったら読んでみてください。
昨年の激闘がよみがえってくると思います。

PRONTO

2008-03-18 20:16:31 | グルメ


JR横浜駅東口にある地下街ポルタ、ここにはいろいろなお店があります。
今回は、PRONTOで一休みしてきました。
PRONTOは昼間はカフェ、夜はバーという二つの顔を持っているようです。
あと、席に座っていられる時間に制限があるのが意外でしたね。
このときは午後4時くらいに寄ったのですが、
座席は4時45分まで、カウンターは5時15分まで
という制限がありました。
最初は、混んでいるから早めに席を立てという意味だと思ったのですが、
実はカフェからバーに切り替えるための準備時間が必要だから、時間制限があるようです。
6時くらいからバーがオープンするのかも知れませんね。

今回注文したのは、日向夏(ひゅうがなつ)のチーズケーキとアイスコーヒーです
この日向夏は今回初めて聞く名前でした。
みかんや甘夏の親戚かなと思い、せっかくなので食べてみることにしました。
Wikipediaによると原産地は宮崎県で、ユズが突然変異したものと考えられているとのことです。
ここでも何気に宮崎県が登場するあたり、宮崎って想像以上に特産物が多いのかも知れませんね。

日向夏、食べてみるとユズのような味でした。
今回は小さく切って散りばめてあるのを食べただけなので、味について詳しくはわかりませんでしたが、そのまま食べるのには向いてなさそうです。
今回のように、チーズケーキに散りばめてあるくらいが良いかも知れませんね。

豪華客船「飛鳥Ⅱ」

2008-03-17 21:31:40 | フォトギャラリー
赤レンガ倉庫の花たちを見た後、そのまま飛鳥Ⅱを見にいきました。
こんなすごい船を見ることができてちょっと感動しました。
こういうのを見ると横浜が港町なんだと実感しますね。


-----ミニフォトギャラリー 豪華客船「飛鳥Ⅱ」-----


これが飛鳥Ⅱです。
かなりの大きさでしたよ


もう少し近くまで行ってみます。


港に停泊する豪華客船、そして青空。
なんだか良い感じですね


もしもの事態に備えて救命ボートが付いています。
タイタニックを思い出しました。
あと、よく見ると、英語で「ASUKAⅡ」と書かれているのがわかりますでしょうか。


豪華客船に乗って旅行というのも良いなと思います。
いつかこういう船に乗ってみたいです
世界の海を旅して、素敵な街に降り立って、素敵な人々と出会って。。。
そして別れを惜しみつつ、船は次の街を目指し出港する。
そんな船旅、一生に一度はあっても良いのではないでしょうか

※フォトギャラリー館を見る方はこちらをどうぞ。

赤レンガに春が来た

2008-03-17 21:01:46 | フォトギャラリー
昨日は赤レンガ倉庫に散歩に行きました。
そしたら何と、この前まではなかった花たちが出現していました
とても春を感じました。
明るい花々を見ていると、心も晴れやかになりますね
みなさんもこの花たちを見て、春を感じてくれれば幸いです

-----横浜フォトギャラリー 赤レンガに春が来た-----


この日の横浜は快晴
服も薄着の人が多かったです。
奥のほうに花のオブジェたちが見えますね。



花のオブジェたちの目の前まで来ました。
ではでは、素敵な花景色をお楽しみください




とても綺麗に整備されているなあと思います。
整備作業をしている人が二人いました。
お疲れさまです


色々な種類の花がありますね。




右から紫、水色、薄紫、白の組み合わせですね。
上品な色合いだなと思います






やはり晴れていると美しさもアップしますね。
とても明るい空間になっていました。




写真の奥に大きな船が見えますね。
「飛鳥Ⅱ」という客船です。
たまたま港に来ていたようです。
この花のオブジェたちを見たあと、「飛鳥Ⅱ」の方にも行きました。
「飛鳥Ⅱ」のフォトギャラリーも作りましたので、そちらもどうぞご覧ください

※フォトギャラリー館を見る方はこちらをどうぞ。

「FINE DAYS 」本多孝好

2008-03-16 20:11:07 | 小説
今回ご紹介するのは、「FINE DAYS」(著:本多孝好)です。


-----内容-----
死の床にある父親から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。
手がかりは若かりし頃の彼女の画。
僕は大学に通う傍ら、彼らが一緒に住んでいたアパートへ向かった。
だが、そこにいたのは画と同じ美しい彼女と、若き日の父だった…(「イエスタデイズ」より)
異例のロングセラーとなり、新世代の圧倒的共感を呼んだ著者初の恋愛小説、待望の文庫化!

-----感想-----
この小説は、以下の四つの物語で構成されています。

FINE DAYS
イエスタデイズ
眠りのための暖かな場所
シェード

途中まで四つの物語はつながっていると思っていたのですが、実は全く違う物語でした。
どの物語も読者を引き付ける魅力があると思います。
恋愛小説とありましたが、恋愛以外にも物語自体のスリリングさが目立ちます。
表題作の「FINE DAYS」と「眠りのための暖かな場所」は神秘的、心霊的な魅力があります。
どちらの物語も、とある女性の周りで自殺や事故が起きるという共通点があります。
私がそれぞれの物語がつながっているように思ったのはこのためです。

「FINE DAYS」の舞台は高校。
この物語に登場する女子高生は、自分に関わった者たちが“たたられる”というジンクスがあります。
言い寄ってきた男や、嫌がらせをしてきた女が、自殺をしたり事故に遭ったりするのです。
この女子高生は「FINE DAYS」の主役というわけではないですが、常に物語の中心にいます。
自分の意思で“たたり”を起こしているわけではなく、本人は特に意識していないようです。
ただ、“たたり”が起こるとき、この女子高生は突然体調が悪くなって、悪寒がしたりするようです。
本人の意思とは関係なく、生霊のようなものが出ているのかも知れません。
このあたりが、物語のスリリングさを感じるところです。
またこの女子高生、最後まで名前が出てきませんでした。
ずっと「あの子」や「彼女」という呼ばれ方でした。
名前が出てこないことで、神秘的な雰囲気が強調されていたように思います。
そんなわけで、「FINE DAYS」は恋愛よりミステリー的な物語でしたね。

「眠りのための暖かな場所」も、ミステリアスな要素がありました。
こちらは、「絵に描いたことが現実になる」という特殊な力を持った女性が登場します。
気に入らない人がいれば、その人が死ぬ絵を描いて殺すことができるのです。
物語の終わり方が印象的でした。
このままではこの女性に殺されてしまうのでは、というような展開だったので、その後どうなったのかがとても気になります。

「シェード」は、昔話が物語の中心になっています。
とあるアンティークショップの老婆が語る、ガラス職人の男とサーカス団の女の物語は、切ないものでした。
ガラス職人の男は、母親とサーカス団の座長の反対を押し切って結婚するのですが、その後には悲しい結末が待っていました。
ただ、四つの物語の中では「シェード」が一番恋愛の要素が強かったような気がします。

「イエスタデイズ」が読んでいて一番面白かったです。
癌に侵された父の頼みで、真山澪(まやまみお)という父の昔の恋人を探すことになった主人公の「僕」。
内容の欄のとおり、父と真山澪が昔住んでいたアパートの一室に行ったら、そこには不思議な光景がありました。
若き日の父と真山澪がいたのです。
この部屋の中に入ると、タイムスリップで過去に行けるようです。
仲良く付き合っていた父と真山澪でしたが、真山澪が「昔の恋人」である以上、二人の関係がいつか終わってしまうことを悟る「僕」。
決して過去を変えられないと理解しながらも、二人の関係が終わってしまうのを止めようとする「僕」の葛藤が切なかったです。
若き日の父には、今の父にはない純粋さがあったので、それを失ってほしくないという思いがあったのです。


というわけで今回読んだ「FINE DAYS」、いろいろな内容が含まれていて面白かったです
通勤の時間や昼休みを使って少しずつ読んだのですが、この本は一気に読んだほうが良いかも知れません。
どの物語も、途中で読み止めてしまうのが惜しいくらい面白い内容になっています。
文章が綺麗なのでさくさくと読み進めていくことができますよ
興味を持った方は読んでみてくださいね

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「ラッシュライフ」伊坂幸太郎

2008-03-12 19:45:14 | 小説
今回ご紹介するのは、「ラッシュライフ」(著:伊坂幸太郎)です。

-----内容-----
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。
父に自殺された青年は神に憧れる
女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。
職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。
幕間には歩くバラバラ死体登場―。
並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。
不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。
巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

-----感想-----
「並走する四つの物語、交錯する十以上の人生」とあるように、ラッシュライフではたくさんの人物が登場します。
その人たちにはそれぞれの物語があります。
中心となるのは内容の欄の四つの物語。
これらの物語はそれぞれ関係がないように見えて、意外なところでリンクしたりします。
例えば、「泥棒を生業とする男」がとあるマンションの一室にいるとき、「父に自殺された青年」が隣の部屋にいたり。
四つの物語はほぼ同じ時間軸で動いているので、誰かが何かしているとき、同じ時間に別の誰かは別の場所で何かしています。
それが、あるとき、別々だった物語同士が交錯します。
この交錯の仕方が上手いなあと思います
伊坂幸太郎さんだからこそ出来る芸当ではないでしょうか。
交錯したとき、世間話をしたり喧嘩になったりして、そこで新たな展開が生まれます。
ほんと、伊坂幸太郎さんてすごいと思います。
物語の先が読めませんね。
今回も「重力ピエロ」のときと同じく、ある程度までは展開を読めても、その後の以外な展開に驚きました。
特に、「泥棒を生業とする男・黒澤」と、黒澤の学生時代の同級生・佐々岡とのエピソードが印象に残っています。
二重・三重に張られた伏線にまんまと騙されました(笑)
最初に伏線が明らかになって、「何だそういうことか」と納得したのもつかの間、さらなる伏線が隠れていました。
これはほんとに読んでいて「すごい!」と思いました
この佐々岡という人、「女性カウンセラー」の物語にも関わっています。
また、佐々岡と話したことによって、黒澤と「女性カウンセラー」にも少しだけつながりが出てきます。
そんな感じで、物語同士が少しずつリンクしています。

伊坂幸太郎さんといえば、作品同士のリンクも有名ですね。
今回も、他の伊坂作品とのリンクがありました。
「重力ピエロ」で登場した探偵の黒澤が、実はラッシュライフの泥棒・黒澤だったり。
「チルドレン」の銀行強盗事件がラッシュライフの中でも登場したり。
こういうのって面白いなと思います
「チルドレン」の物語が進んでいるのと同じ時間に、すぐ近くで「ラッシュライフ」の物語が進んでいるということですからね。
人生いろいろという感じがして面白いです。
他にもリンクがあったようですが、まだ読んでいない伊坂作品とのリンクだったようです。
なので、他の作品も自然と読みたくなっていきます。
全部読めば、壮大な世界が見えてきそうですね
次は「死神の精度」を読んでみようと思います。

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