12月26日(木)に転倒による骨盤骨折(左恥骨骨折・坐骨骨折)の91歳女性が、地域の基幹病院整形外科から当院のリハビリ病棟に転院してきた。
担当は整形外科医だが、内科疾患の管理は内科ですることになっている。大抵は高血圧症・糖尿病くらいだが、この患者さんは自己免疫性肝炎からの肝硬変がある。
肝硬変は基幹病院の消化器内科に通院していた。処方はプレドニン5mg2錠分1・ウルソ100mg6錠分3・リフキシマ200mg6錠分3・リーバクト3包分3・ラグノスNF経口ゼリー3包分3と本格的な肝硬変・自己免疫性肝炎の処方になっている。
糖尿病もあり、こちらは市内のクリニックに通院していた。今回の入院で夜間せん妄の処方も追加されていた(ロゼレム、デエビゴ、トラゾドンで精神科の処方)。
消化器内科の診療情報提供書によると、消化器内科で診始めたのは2024年6月とある。血液内科で自己免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)で診ていて、その精査中に肝硬変を指摘されたそうだ。
そもそもITPでいいのか、肝硬変としての血小板減少なのか、記載されていないのでよくわからない。自己免疫性肝炎はずっと放置されて、肝硬変になってから診断されたということらしい。
2023年10月に市内のクリニックから当院内科に食欲不振・浮腫で紹介されて1か月弱入院していた。脱水症による腎前性腎不全を呈していたが、点滴などで回復して退院している。入院時に軽度の肝障害を認めているが、その後軽快したので担当医は肝疾患とは認識していなかったようだ。その時の胸腹部CTを見ると、肝硬変・脾腫がある(後からだと何とでもいえるが)。
ここ数年で、原発性胆汁性肝硬変になってから診断がついた高齢女性が2名いた。自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎が気づかれないまま進行して肝硬変になってから診断されることもあるということ。