なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナワクチン

2024年11月04日 | 感染症

 11月1日に新型コロナウイルスのワクチンを接種した。(正確には、オミクロン株JN.1系統対応ワクチン「コミナティ筋注シリンジ12歳以上用」

 初回から全部受けているので8回目になる。2回目までは注射部位の腫脹・疼痛だけだったが(それでも寝返りができないくらい痛かった)、3回目からは翌日から翌々日まで38℃の発熱と倦怠感が出るようになった。

 それでも受けていたのは2020年から3年間新型コロナの係として、保健所依頼のPCR検査数千件と入院200名を担当していたから。COVID-19として発症したことはないが、おそらく無症候性感染や軽症の感染(倦怠感が1~2日)は何度もあったのだろう。(N抗体を検査していないのでわからないが)

 7回目のワクチンの時も2日間の発熱を予想していたが(土日に休めるように金曜日に接種)、翌日37℃台の微熱があっただけですんだ。

 長くいっしょに診療している内科医は副反応で39℃の高熱が続くことから、接種はやめてしまっている。それでも3回以上は受けているので、基本的な免疫はついているのだろう。

 感染管理で来てもらっている大学病院の感染症の先生は、武田薬品の組み換えタンパクワクチン「ヌバキソビッド筋注」を受けてみたいといっていたが、どうなったのだろうか。

 

 ワクチン接種した日の夜から風車部位の疼痛・腫脹が始まった。翌日は午前中に悪寒・微熱・倦怠感があり、午後は38.1℃に上がって倦怠感が強くなった。夕方まで横になって休んだ。

 翌々日の朝には解熱して、倦怠感も軽快した。注射部位の症状も軽快していた。結局、翌日は1日副反応で何もできず、翌々日からはほぼ戻ったという経過だった。

 副反応があるのにワクチン接種を続けているのは、まだCOVID-19を最前線で診ているから。感染管理の仕事を続けているからというのもある。

 自分も、武田薬品の組み換えタンパクワクチン「ヌバキソビッド筋注」を試してみたいと思った。

 

 ワクチンに批判的な(元)京大の宮沢孝幸先生の本もほとんどもっている。何が本当かわからないという気もするが、初期から診療を行ってきた経験から、ワクチンは死亡数を確実に減らしているのは確かだ。

 

 

ファイザーのホームページによると

 ファイザー社は、12歳以上を対象とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株JN.1系統対応ワクチン「コミナティ筋注シリンジ12歳以上用」〔一般名:コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン。以下、本剤〕を、2024年9月19日に発売いたします。

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用 製剤写真

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用 製剤写真

 本剤はプレフィルドシリンジ製剤であり、解凍・希釈・充填の作業が不要です。2~8℃で冷蔵保管が可能であり、有効期限は8か月間です。接種時は室温に戻し注射針を装着することですぐに接種が可能です。誤接種を防止するために製品名と投与方法をラベルに表記し、他のワクチンとの識別を容易にしています。また、従来のコミナティ同様、本剤も1回あたりの投与量は0.3mlです。

 本剤は、本年10月1日から開始される新型コロナワクチンの定期接種ならびに、定期接種非対象者の任意接種に供する製剤として流通いたします。本剤は、品質に係るデータに加え、オミクロン株XBB.1.5系統対応のCOVID-19ワクチンに比べ、JN.1およびKP.2、KP.3を含むその亜系統に対しても優れた免疫反応を示した非臨床データ等をもとに、本年8月8日に厚生労働省から製造販売承認事項一部変更承認を取得しています。本年5月29日に開催された「第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会」では、2024/2025シーズン向けの新型コロナウイルス感染症ワクチンの抗原組成について、JN.1系統が選択されています1

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺炎は肺炎

2024年11月03日 | 呼吸器疾患

 10月30日(水)に60歳代後半の女性が咳・痰で受診した。発熱・咳で発症していたが、すでに解熱していた。

 10月26日(土)に前日から発熱・咳があるとして救急外来を受診した。日直は消化器科医だった。

 胸部X線でははっきりしないが、胸部CTで見ると両側の上肺野に斑状影が散在していた。血液検査はしていない。軽度肺炎としてアジスロマイシン内服を処方していた。

 アジスロマイシンはマイコプラズマが流行しているからかと思ったが、そうではなかった。世話をしている孫2人が風邪症状があり、そのうち1人は肺炎といわれたという。それでマイコプラズマを想定したようだ。

 28日には解熱したが、咳・痰が続き食欲もあまりないので、30日に受診していた。血液検査をするので、点滴も1本入れた(採血→点滴と同時にできるので)。

 結果は白血球4500・CRP1.5とごく軽度の炎症反応上昇があった。マイコプラズマのPCR検査は陰性。26日の受診時はもっと高かったのかもしれない。鎮咳剤・去痰薬を1週間分追加して経過をみてもらうことにした。

 

 実はこの方は、10月21日に腰痛と右側腹部痛で内科外来を受診していた。整形外科か内科か迷ったそうだ。腹部の所見は有意なものはなかった。

 胸腰椎の骨条件も見たいので、胸腹部CTで確認していた。特にこれといった所見はなかった。その時点で肺に異常はまったくない。腎臓も含めて内臓の疾患はないのと、体動時痛なのでアセトアミノフェンで経過をみて、後日整形外科受診としていた。(内科の検査が終わった時には整形外科の外来が終わっていた)

 1週間後に予約を入れたが、肺炎球菌尿中抗原も検査した方がよかったか。孫からマイコプラズマがうつったが、検査は偽陰性?。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺炎の陰影?

2024年11月02日 | 呼吸器疾患

 糖尿病で通院している50歳代半ばの女性が、健診の胸部X線で二次検査になって受診した。右肺下肺野に浸潤影とあった。紙の画像コピーだが、はっきるわかるくらいの陰影だった。

 この患者さんは8月22日にデイサービスで発熱を指摘されて、内科外来を受診した。呼吸器症状は自覚していなかった。新患担当の内科の若い先生が担当した。胸部X線・CTで右上葉に浸潤影を認めた。

 白血球18300・CRP5.2と炎症反応の上昇もあった。担当医は抗菌薬としてアジスロマイシンを処方していた。マイコプラズマ肺炎ではなさそうで(検査はしていない)、症状が続いて再受診するかと思ったが、順調に軽快した。

 9月11日再受診時には症状は消失して、白血球6000・CRP0.2と正常化していた。胸部X線で右上葉の陰影は消失して治癒したものと判断したようだ。

 後から胸部X線を見返すと、以前の胸部X線(年1回の健診)と比較して右下葉に陰影があるように見える。今回の院外の健診は9月26日で、指摘された陰影はこの時の陰影が進行したものだろうか。

 

 呼吸器症状はないが、胸部X線健診での二次検査なので、胸部CTで確認した。すると、指摘された部位に異常遺影はなく、両側肺全体に異常所見はない。

 後で放射線科の読影レポートを確認するが、呼吸器科外来に来てもらっている先生にも相談することにした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和歌謡

2024年11月01日 | 無題

 昭和歌謡の本を集めている。最近は中公新書で「昭和歌謡史」刑部芳則著が出た。

 これまでも「昭和歌謡」の本は出ていたが、大抵は業界に携わった方が、自分の経験をもとに記載したものだった。今回の「昭和歌謡史」は歴史学者なので、曲についての詳細な記録を記載している。(まえがきにもその旨が説明されている)ただ直接に歌手や作詞家・作曲家とかかわっていないので、裏話などはない。

昭和歌謡史-古賀政男、東海林太郎から、美空ひばり、中森明菜まで (中公新書 2818)

 

 これらの本は、業界に関わった方たちなので、業界の裏話(かける範囲での)が満載で興味深い。近田春夫さんの書かれた「筒美京平さん」や「グループサウンズ」の本も良かった。

昭和歌謡1945~1989 歌謡曲黄金時代のラブソングと日本人 (廣済堂新書)

昭和歌謡ものがたり(アルソス新書) 

我が愛しの歌謡曲 - 昭和・平成・令和のヒット・パレード - (ワニブックスPLUS新書)

 平尾昌晃さんが書いていたが、最近の曲は歌詞の分量が多くて覚えきれない(曲自体も構成が複雑)。国民の大部分が知っていて歌えるような流行歌はない、とも指摘されている。昔の歌は1番が5~6行だったりと短くて覚えやすかったと。

 米津玄師さんのLemonのCDなども購入したが、基本的には昭和歌謡を聴いている。当方は百恵ちゃん世代で、谷村新司さん・玉置浩二さん・井上陽水さんのファン。

 医療とは関係ない趣味の話でした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性肺炎

2024年10月31日 | 呼吸器疾患

 10月29日(火)の午前8時過ぎに車で病院に来ると、ちょうど救急車が搬入されるところだった。前日の当直は整形外科医で、転倒・骨折なのかと思ったが、後で確認すると肺炎だった。

 患者さんは当院に血液透析で通院している70歳代前半の男性だった。朝に入浴したところ脱力で動けないという訴えでの救急要請だった。体温が38.5℃で(入浴後だが)、酸素飽和度も低下して酸素吸入(3L/分)で飽和度95%になっていた。

 肺炎疑いで胸部X線・CTが行われて、右中葉下葉にまたがる肺炎像があった。非区域性分布だと肺炎球菌肺炎が疑われる。

 午前8時前の救急搬入要請で、検査しているうちに内科医も透析医も出勤して来るので、受けやすい時間帯ではあった。透析医に引き継がれて入院となった。透析日だったので、透析終了後の入院・抗菌薬投与になった。

 

 透析後は血圧が変動しやすく、針跡からの細菌感染(シャント感染)を防ぐために、透析後の入浴はしないことになっている。(どうしてもの時も、シャワー浴程度に留める)

 透析前の朝風呂というのは指導の想定外なのかもしれない。患者さんとしては、透析後はできないので、透析前に入浴するということなのか。透析時の血圧変動に影響する可能性があると思われるが。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺炎の本

2024年10月30日 | 呼吸器疾患

 「診療所で診る市中肺炎」藤田次郎著(日本医事新報社)は、140ページの薄い本の中に肺炎診療をまとめている。日本医事新報社なので「診療所で診る」となっているが、「病院で診る」にも参考になる。

 画像は足りないし(胸部X線や胸部CTの本で補えばよい)、治療についても詳しくは記載していないが(治療メインの本ではない)、肺炎全体をおおざっぱに理解するにはいいと思う。

診療所で診る市中肺炎

 

 非専門医が見やすい肺炎そのものの本というのは意外に少ない。「肺炎診療」青島正大著(羊土社)、「jmed 60 最新侮れない肺炎に立ち向かう!」山本舜悟編著(日本医事新報社)、「亀田流 市中肺炎診療レクチャー」黒田浩一著(中外医学社)くらいしか思い当たらない。

スポンサー広告 - 肺炎診療―どう見極め、まず何をすべきか

あなたも名医! 最新 侮れない肺炎に立ち向かう! ―非専門医のための肺炎診療指南書【電子版付き】(jmed60) (jmedmook)

スポンサー広告 - 亀田流 市中肺炎診療レクチャー -感染症医と呼吸器内科医の視点から

 

 患者数からみれば肺炎は圧倒的に多い疾患なので、もっと呼吸器内科の専門医が競って出してもいいと思う。

 「成人肺炎診療ガイドライン2024年」は会員限定で(購入は可)、呼吸器学会はclosedなのだった。循環器病学会のガイドラインは誰でも見られる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たぶん腸炎

2024年10月29日 | 消化器疾患

 10月28日(月)は内科再来を診ながら内科新患も診ていた。その日の内科外来に大学病院から来ている先生が、その日は12時で帰りたいというので新患が全部回ってきた。

 月曜日の再来は月曜日が祝日で休みになることがあるので、1.5から2週分の患者さんが入ることがある。その日も再来の数が多く、新患の患者さんはかなり待たせることになった。

 50歳男性が腹部膨満感と腹痛で受診した。前日の夕食はステーキのチェーン店でステーキ(牛肉と鶏肉、とサラダ)を食べていた。午後9時ごろから腹部膨満を感じて、そのうち腹痛が生じてきた。

 夜間は腹痛が断続的に続き、冷汗もあったという。普通は毎日排便があるが、その日はなかったそうだ。朝方になって排便・排ガスがあり、腹痛は軽減した。血便ではない。

 本人としては排便後に軽快したことから、便秘のための症状と思ったらしい。ただ1日くらいの便秘でこのような症状が出るのかと疑問にも思ったので、気になって受診したのだった。

 発熱はなく、バイタルも問題ない。腹部症状としては、やや違和感が残るくらいだった。腹部は平坦・軟で圧痛はない。腹部はぽっちゃりしていて、膨満感があるかと訊くと、いつもこのくらいの腹ですということだった。

 腹部単純X線では情報がないので、腹部単純CTで確認することにした。その後も再来と新患を診て時間がかかり、CTはずぐに終わったが、確認するまで大分待たせることになった。

 その間に軟便が数回出たという。水様便までではなく、泥状便だった。腹部症状はさらに改善していた。

 腹部CTでみると、CTで診る限りだが、特に異常はなかった。小腸の拡張・消化液貯留は目立たない。大腸は上行結腸から横行結腸にかけて水様便と思われる像があり、肛門側の便は便塊はなく軟便様だった。

 また数回泥状便の排出がありそうだ。ということはたぶん腸炎なのだろう。食事性だろうから、毒素型?。症状が軽快して、再受診にはならないので便培養の提出はしなかった。

 整腸剤と腹痛時の屯用薬’(アセトアミノフェン)のみ処方して、あと数回排便が続くと思います、と伝えた。好ましくはないが、お待たせしたために午前中いっぱい病院にいることになって、症状の推移をみることができたのだった。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誤嚥性肺炎

2024年10月28日 | 呼吸器疾患

 10月24日(木)は皮膚科の先生が当直で、内科当番は当方だった。午後10時過ぎに連絡がきた。

 90歳代の男性が自宅で転倒して、前額部の切創と鼻出血で救急搬入されていた。軽度の外傷と思って受けたそうだ。

 搬入されると発熱と酸素飽和度の低下があり、胸部CTで両側肺炎があった。酸素吸入4L/分で酸素飽和度は94~95%になっているが、抗菌薬はスルバシリン(ABPC/SBT)でいいでしょうかという。点滴と抗菌薬の入力をお願いして、内科で入院にしてもらった。

 

 翌日に出勤して病棟に診に行った。酸素吸入3L/分で酸素飽和度は96~98%になっていた。開眼していて簡単な会話はできるようだ。同じく90歳代の妻と2人暮らしで、室内は何とか歩行器(シルバーカー)を使ってトイレまで行けるくらいのADLだった。

 聴覚言語療法士(ST)に嚥下評価をお願いしたが、少しむせるようで、来週また評価します、となった。(朝食が全粥刻み食で出されて、むせったのでやめたていた)

 介護保険申請はしていたが、要支援2ということだった。それだと認知症がなくて、ADLほとんど自立になるが、別居の家族は再申請をしようとしていたらしい。

 

 転倒して外傷として救急搬入される高齢者が最近目立つ。救急隊は軽度の外傷として搬入依頼してくるが、来て見ると発熱・酸素飽和度低下があって、転倒は感染症による体調不良の結果だったというパターンだ。

 救急隊としては軽度外傷は搬入依頼をしやすいかもしれない。救急車収容時には外傷が結果であることには気づいているのだろう。

 発熱・酸素飽和度低下といわれとる、皮膚科医は受けないこともある。翌朝の通常業務開始に近い時間帯だと(午前7時~8時半)、検査しているうちに内科が出勤して来るので受けているようだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寝不足?

2024年10月27日 | 脳神経疾患

 10月23日(水)の昼前に、脳神経内科外来に脳出血後遺症で通院している60歳代後半の男性が、「頭がぼーっとする」という訴えて受診した。

 ふだん診ている非常勤の担当医は午前中だけなので、内科外来に回って来た。2~3日前から頭がぼーっとするという。仕事は大型トラックの運転をしていて、職場は隣県にある(住所は当地)。独身だが、同年配の知人の女性がいっしょにきていた(関係は詳しくは訊かなかった)。

 会話は普通にできるが、何となく反応が遅いように感じられる。見当識障害はない。歩行してもらうと特に問題はなかった。

 前日にトラックの左側のミラーをぶつけてしまったそうだ。また赤信号とわかっているのに、そのまま進行してしまったという。幸い事故には至らなかった。

 電柱が斜めに見えたともいうが、受診時にはなかった。複視や眼球運動の異常はなかった。頭痛、嘔気はない。

 会社から今日は休むようにいわれたという。寝不足はあったようだ。寝不足からの疲労とされたのだろうか。

 2018年に県内の別の地域にいた時に脳出血(左視床出血、軽度)を発症していた。右半身のしびれがあり、クロナゼパム0.5mg錠を3錠分3で内服していた(降圧薬はアムロジピン5mg1錠)。この薬は日中の活動に影響しないか気にはなった。

 頭部CTで脳出血はなかった。脳梗塞の精査に頭部MRIを行うことにしたが(脳腫瘍・脳炎の鑑別も含めて)、その日MRIは婦人科の造影2件などもあり混んでいた。実施は夕方になるという。朝食べないで来たというので、点滴と血液検査(異常なし)をした。病院の売店で食べ物を購入して食べていいことにした。

 あのガンガンとうるさい頭部MRIの最中に、放射線技師さんの表現では爆睡していて、これは寝不足じゃないですかといわれた。頭部MRIで新規の病変はなかった。翌10月24日も脳神経内科の外来(非常勤医)があったので、そこでも診察してもらうことにした。

 結局寝不足かもしれないということになったようだ。クロナエパムは漸減することになり、後はふだん診ている先生宛に経過をみて下さいとカルテ記載していた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイコプラズマ肺炎のマクロライド耐性

2024年10月26日 | 呼吸器疾患

 2011~2012年の肺炎マイコプラズマの流行時には8割がマクロライド耐性だったが、その後は耐性率は低下しているそうだ。

(ほとんど忘れていたが、当方が感染症学会・化学療法学会に行っていた時期で、確かにマイコプラズマのマクロライド耐性のセッションがあった。)

 肺炎マイコプラズマはP1タンパク遺伝子の違いで、1型と2型があり、1型はマクロライド耐性遺伝子の保有率が高く、2型は耐性遺伝子保有率が低い。流行時は1型が多かったが、その後は2型が多くなったので、マクロライド耐性株の比率が低下した主因ということだった。なるほど。

 基本的に治療薬の第1選択はマクロライドで、アジスロマイシン(ジスロマック®)500mg1日1回を3日間あるいは2g/日を1日1回だけになる。クラリスロマイシンは200mgを1日2回朝夕になる。

 48~72時間で解熱しなければ、テトラサイクリン系のミノサイクリン(ミノマイシン®)1回100mgを1日2回、またはキノロン系のたとえばレボフロキサシン(クラビット®)500mg1日1回になる。投与日数はアジスロマイシン以外は7~10日間。

 マイコプラズマ学会から「肺炎マイコプラズマ肺炎の治療指針」2017年が出ていて閲覧できる。

 

 キノロンはマイコプラズマに耐性を誘導しやすい。テトラサイクリン系はマイコプラズマに対する耐性誘導が起こりにくい。

 テトラサイクリン系の使用経験のある実地臨床医は少なく、臨床研究も少なくエビデンスに乏しい、とある。当方は昔の医者なので、マイコプラズマ肺炎にミノマイシンは使い慣れていて効果も実感している。

 

 下の図はCareNetの倉原優先生の記事に載っていた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする