今日は内科再来を診ていた。72歳女性は、退職した先生がずっと診ていたが、いわゆる拒食症(摂食障害)でほとんど骨と皮状態が続いていた。その先生が、末梢からの点滴が困難ということで、点滴用のポートを留置した。なんどか食欲不振で入院していたが、その先生がいなくなる頃から、少しずつ食べて、栄養食品も摂るようになっていた。時々悪化したが、私が担当になってからは、外来で点滴することはあっても、以前のような希望で入院ということはしなかった。
私が入院させないので、前に診ていた先生がいる病院まで行って、入院させてもらうことが1回あったそうだ。その後は、それなりに精神的に安定して、まだまだ痩せてはいるが、以前よりはよほど良くなった。抗癌剤を投与する目的以外でポート留置されているのは、この患者さんだけだ。3か月に1回ポートにヘパリンを通していたが、必要のないポートは感染の原因になりかねないし、一生ヘパリンを通しに通院するのも変なものだ。前からポート抜去を提案していたが、2月にその気になって、外科医に頼んで抜去した。もうヘパリン注射で通院する必要もないので、かかりつけのクリニックにのみ通院(睡眠薬と鎮痛剤をもらっている)して、入院が必要な時だけ、当院に紹介してもらうことにした。
午後は病棟の指示を出して、退院する患者さん以外には、明日から学会で不在の旨を伝えた。入院の患者さんたちは、それなりに安定しているので大丈夫だろう。肺癌・膀胱癌の患者さんは、ステロイド(デカドロン)をオピオイド(オキシコンチン)が良く効いて、食欲が出て、疼痛も緩和されてきた。明日から消化器病学会で東京に出張。3日分のランションセミナーとポストグラデュエイトコースも申し込んである。後者はいつもあまり面白くないが、大腸の講義で清水誠治先生が出るので楽しみだ。時間が短いのが残念で、この先生の話(大腸のうんちく)を1時間くらい聞いてみたいものだ。