内科再来を診ていたが、内科新患が混んでいたので11時から少し手伝った。60歳代後半の女性が3週間前から咳が続くという訴えで受診していた。上気道炎の症状で始まっていた。上気道咳症候群のようなものかと思ったが、この方は要するに喘息だった。
小児期から喘息があり、成人になってからは、風邪をひいた時に咳が続いたり喘鳴が出たりする。今回は咳だけで喘鳴はないというが、聴診するとちゃんと喘鳴が聴取された。どうも普段から喘鳴があるようだ。数日前にせき込んで苦しかったので受診したそうだ。数年前に呼吸器科外来(大学病院からの応援医師)を受診して、吸入ステロイドを処方されたが、2回の受診で中断していた。喘息は治ると思いたいらしい。慢性疾患で治るという言い方はしないというとガッカリしていた。少し話をしているとせき込んでしまう(酸素飽和度は正常域)。日本語学校で教えているというので、定年になった教員なのだろう。午後に授業があって時間がないというので、プレドニン30mg/日内服3日分を出して、以前使ったアドエア(使った時は良かったと)にテオドールとシングレアを処方した(その後は吸入ステロイドだけにする予定)。なかなか来れないというので、30日分の処方として、次回は近医へ紹介することにした(住所は隣の隣の隣町だから)。
内科の若い先生が当直の時に、80歳代後半の女性が右側腹部痛で救急外来を受診した。心房細動があった。腹部造影CTで右腎梗塞と上腸間膜動脈血栓塞栓症を認め、血管外科の扱いとなった。心エコーでは心腔内には残存した血栓はなかった。心房細動から2か所に血栓塞栓症をきたしたのは初めて見たかもしれない(多発性脳塞栓以外)。