なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ビタミンB12欠乏症

2017年08月03日 | Weblog

 昨夜のNHKドクターGは山中克郎先生で、症例はビタミンB12欠乏症だった。高齢男性が歩行障害・認知障害・四肢のしびれを呈していた。最初は正常圧水頭症かとも思ったが違った。血算値は出ていなかった気がするが?。ビタミンB12欠乏だと合うかなと思えてきたところに、血清ビタミンB12値が正常域内というデータが出された。

 血清ビタミンB12は正常値内でも、臨床的に不足(低下)と判断されるそうだ。100pg/ml以下では間違いなく低下と判断されるが、100~350pg/mlでも低下と判断されることがあるという(グレイゾーンですね)。症例の男性は200くらいだったが、臨床的には低下症と判断されて、実際補充療法で症状がすっかり改善していた。高齢者の5人に1人はビタミンB12が低下しているともおっしゃっていた。こういうことは何に載ってるのだろうか。

 当院入院中の患者さんは明らかに低下していた。69歳男性は87で、83歳男性は118だった(SRLでは、ビタミンB12の正常域は180~914pg/ml)。1人は最初ビタミンB12を注射で投与してから経口投与に切り替えた。もう1人は最初から内服投与にした。どちらも改善して、地域包括ケア病棟で施設待ち(ひとりは来週入所決定)。

 頭部MRIでウェルニッケ脳症の所見があり、ビタミンB1投与で症状が改善した高齢女性がいたが、血清ビタミンB1値は正常域(下限より)だった。ビタミンB1の正常値も確かなものではないそうだ。

 先週末に入院したうっ血性心不全の69歳女性は、ハンプ点滴静注で下肢の浮腫は改善したが、肺うっ血・水腫が改善しなかったので、今日心臓血管センターのある専門病院へ転送した。血圧は保っているが(むしろ大量の降圧薬内服を継続)、どのような治療を追加するのだろうか。

コメント (1)
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