なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

めまいで搬入~出血性胃潰瘍

2017年08月29日 | Weblog

 昨日の午後に、先週頻脈性心房細動で心臓血管センターに紹介した72歳女性が返事を持って受診した。結局、ビソノテープ8mg/日+ワソラン3錠/日+ジゴシン0.25mg/日でも頻脈が続いたので紹介していた。経食道心エコーで心房内に血栓がないことを確認して、電気的除細動が行われた。2回行って、正常洞調律に戻ったそうだ。

 胸骨と左側胸部(V5相当)に除細動の時の痕が付いていて、側胸部の方は軽いやけどになっていた。予防にタンボコール内服が処方されていた。リウマチ性多発筋痛症として処方したプレドニンは、まだ初期量の15mg/日のまま。歩行は普通にできて外来治療でもいいのだろうが、不整脈の治療が終わったら当院入院で診るという約束で転院していたので、約2週間くらい入院でみることにした(ひとり暮らしというのもあり)。もともとの軽度糖尿病がステロイド糖尿病として悪化するので、その治療もある。

 朝診療前に昨夜の当直医から、めまいで搬入された80歳代女性のことでで相談された。血圧は110くらいだたった。昨日もめまいで内科クリニックを受診している。今日はそれよりも悪化していた。便が黒いそうだという話もあって、外来に診に行った。外科の先生だが、めまいは頭の問題と思ったらしく、なぜか直腸指診はしてなかった。

 横臥していれば意識清明で普通に話ができる。直腸指診をするときれいな(?)タール便だった。この方はタケプロン30mgを内服しているが、それでもふだん胸やけがあった。ガストリンなど特殊な問題があるのだろうか。1か月前から便が黒いと思っていたそうだ。昨日は吐物がすす水様だという。

 昨日受診した内科医院で血液検査をしていてHb11g/dlだった。今日はHb9g/dl。ある程度慢性の胃病変があり、それが一気に悪化したと判断される。消化器科の若い先生に上部消化管内視鏡検査を依頼した。

 後で結果を聞くと、胃前庭部に多発性胃潰瘍があって、そのうち一つに露出血管があった。内視鏡的止血術が行われて入院になった。正面視できる部位なので、消化器科としては「治療しやすい症例」なのだろう。

 救急当番の先生から肺炎の80歳男性の治療を依頼された。今週は夏休みになるので、新規入院を引き受けない方がいのだが、この方は酸素吸入がいらない程度だったので主治医になって入院にした。

 なぜか続々入院が続いて、 ベット稼働率は良好(すぎるくらい)になってきた。事務長さんは喜んでいると思うが、病棟の看護師さんは大変だ。

コメント
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