なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

頸椎偽痛風Crowned dens syndrome

2017年09月22日 | Weblog

 86歳男性が昨日発熱で内科新患を受診していた(担当は大学病院からの応援医師)。高熱と悪寒があったが、その他には症状がなかった(と記載していた)。血液検査で白血球増加とCRP軽度上昇があったが、胸部X線で明らかな肺炎像はなく、尿検査も正常だった。感染巣不明として、クラビット500mg内服が処方された。

 夜になって悪寒戦慄?で救急要請したそうだ。当直医は整形外科の若い先生だった。胸腹部CTが追加されたが、やはり感染巣不明ということで、電話連絡が来た。昼にクラビットを内服していた。バイタルは発熱以外は問題ないので、点滴だけて経過をみて、翌朝に血液培養を提出することにした。

 今日ベットサイドに行って診察した。症状としては後頸部痛があった。痛みで可動域制限がある。意識は清明で、項部硬直ではあるが、髄膜炎ではなく、筋骨格系の症状と判断される。それにしても悪寒戦慄らしいので、予定通り血液培養2セットを提出した。

 その後頸部CTを行った。軸椎の歯突起周囲に石灰化があり、頚椎偽痛風のようだ。頸部痛はいつからと訊くと、ずっと前から?と言う。最近ではと訊いてもずっと前からと言う。手関節や膝関節には所見がなかった。

 6年前に禁煙していたが、それまで20本/日喫煙してた。胸部CTでLAAが軽度にあり、肺気腫ではある。ふだんから咳・痰は少しあるそうだが、ここ数日は増えていない。肺炎の浸潤影もないが、気道感染が契機になった可能性も否定できないので、週明けまではNSAID(セレコックス)に抗菌薬(セフトリアキソン)を併用して経過をみることにした。

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