なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「壁に寄りかかっている」

2018年05月16日 | Weblog

 昨日の夕方、救急室で急性腎盂腎炎の高齢女性の入院手続きが終わった時に、79歳女性が救急搬入されるという話を聞いた。すでに当直帯の始まりだったので、当直師長さんにどんな患者さんが搬入されるのか訊いた。

 「壁に寄りかかっているそうです」という返事だった。元々ちょっとピントの外れた人ではあるが、搬入依頼の救急隊もそう表現したらしい。日中救急をみていた救急の認定看護師と顔を見合わせて、お互いに首をひねった。暑い日だったので、ひょっととすると熱中症で少し意識がぼんやりしているのかとも思った。

 その後当直医から連絡が来て、血液検査で軽度に腎機能障害があり、CKも軽度に上昇しているという。熱中症からの脱水状態で、腎前性腎不全があり、点滴を継続したいので内科入院でお願いしますということだった。

 当直医の記載にも「壁に寄りかかっていた」とあったが、要は「夫が帰宅したところ、壁に寄りかかってぼんやりしていた。反応がいつもと違うので、心配になって救急要請した。」だった。

 ご本人は入院したくないという。熱中症もあるが、数日前から右胸部に帯状疱疹が出現していて、受診するほどの疼痛はなかったそうだが痛痒さはある。その日の水分摂取不足に影響したかもしれない。結局入院となった。

 入院して点滴だけで翌日の今朝は意識清明となって、食欲も良好だった。やはり帰宅したいという。家族はもう少し入院するよう説得していた。今日は昨日よりも暑く、日中の気温は30℃になる。数日経過をみて腎機能再検と帯状疱疹の経過をみてからにしましょうと言うと、しぶしぶ承知した。

 

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