なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆管癌術後再発

2018年05月07日 | Weblog

 先月初めから黄疸が出現していた胆管癌術後再発の74歳女性は、できるだけ自宅で過ごして、いよいよ悪化した時に入院の方針になっていた。今日は動けなくなり、食事摂取も低下したとして家族が連れてきた。そのまま入院になった。

 昨年9月に肝機能障害が出現して画像検査(CT・MRI)で胆管癌疑いと診断された。消化器病センターのある専門病院に紹介となった。外科手術(胆管切除・胆嚢切除・胆管空腸吻合術など)を受けたが、再発必至と診断された。

 地域の基幹病院腫瘍内科に紹介されて、抗癌剤治療が開始されたが、認知症があること・糖尿病のコントロールが難しいことなどから中止になっていた。その後、腫瘍内科と糖尿病代謝内科から当院宛てに、今後の治療(緩和ケア)をよろしくという診療情報提供書がきていた。

 先月初めに外来を受診した時に夫と相談したが、黄疸はあるが食事摂取できるので、できるだけ自宅に置きたいという希望があった。その後2週間おきに外来で診ていたが、さすがに限界だった。単純CTだが、肝臓内に腫瘍があり、胸水・腹水もあった。腫瘍マーカーは先月の時点で著増している。

 やせた女性で時々みかける自己インスリンが低下して、治療に強化療法が必要な方だった。SPIDDM相当だが、抗GAD抗体が陰性なので確定できない。認知症でインスリン注射はきちんとできなかった。家族に注射をお願いしたが、あまり乗り気ではなく、ごく単純な単位数にして、なんとか自己注射を継続していた。血糖自己測定を指導すると、混乱してインスリン注射を指先にしようとすることもあったので、血糖測定はしないことにしていた。

 幸いに痛みの訴えはないが、浮腫で末梢の点滴が困難だった。点滴ラインをどうするか。

 

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