なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

リウマチ性多発筋痛症か

2018年09月14日 | Weblog

 9月11日に記載した86歳女性。細菌感染症か偽痛風かということだったが、どうも違うようだ。

 もともとは杖歩行はできていた。入院3日前から支えられないと歩行できなくなり、這って動いたりしていた。8月19日(日)に全身の痛み(上下肢近位)でほとんど動けなくなった。近くのクリニック(日曜日なので当番医なのだろう)を受診して、すぐに地域の基幹病院に紹介されて入院した。

 培養採取・抗菌薬投与が開始されて、解熱して炎症反応も改善していた。抗菌薬変更後の再燃様の症状で、偽痛風も疑われてロキソプロフェンも追加されている。

 9月10日にリハビリ目的で当院に転院した時、発熱はなかった。動きも86歳としては、入院治療による廃用症候群もあればこんなものかと思った。炎症反応が陰性化していない状態での転院でもあり、入院時検査を行った。

 白血球数6500、CRP10.6と、転院前よりCRPが上昇していた(5だった)。血沈は1時間値が81mmと亢進している。Dダイマー17.0と上昇。

 入院翌日の午後にちょっと時間があったので、発症の時のことを訊いてみた。それなりに歩行していたのが、数日の単位で歩行できなくなっている。少なくとも両肩~上腕近位の痛みはあり、膝というより腰部から大腿部の痛みのようだ。

 頭痛はなく、側頭動脈の自発痛・圧痛はなかった。抗菌薬が効いたような経過ではあるが、リウマチ性多発筋痛症(PMR)が疑われた。ロキソプロフェンを継続していても、四肢痛は一定以上の改善はしていない。プレドニン少量ならば試してもいいのではないか。

 転院3日目の9月12日からプレドニン10mg/日を開始したが、翌13日には痛みがかなり良くなったと感謝された。プレドニンなので疾患にフィットしなくても全身状態が良くなるのでまだ何ともいえない。1週間投与して経過をみることにした。先方の病院からの全体像がPMRかというと、それだけでは説明しがたいが。

 患者さんからは、「までえに(細かく、詳しく)話を聞いてくれてうれしかった」と言われたが、実際に話を聞いていたのは10分くらいで、追加の診察も5分程度だから、そんなに熱心に診たわけではない。

 

 内科学会のセルフトレーニング問題が終わって、今日発送した。一度だけWeb解答を選択したが、またマークシートに戻していた。来年はまたWebに戻そうかと思う。

 

コメント
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