なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

外科医頑張る

2018年09月28日 | Weblog

 昨日の当直は外科医だった。当方だったら専門病院に搬送したかもしれない2名の患者さんを入院させていた。

 昨日の午後7時過ぎに、46歳男性が胸焼けするような胸痛・喉が締め付けられるような痛みで救急搬入された。心電図・心原性酵素で明らかに急性心筋梗塞を示唆する所見が得られないとして、入院で経過をみていた。検査してうちに症状は軽減している。

 患者さんは身長180cm・体重130Kgの巨漢で、高血圧症・糖尿病・脂質異常症で内科医院に通院していた。受診時の心電図では、V1-3がpoor r wave progression様で、Ⅰ・aVL・V6でST低下を認めた。急性冠症候群で救急搬送したくなる。

 朝には症状が消失して、コンサルトされた循環器科で再検したが、心電図波形は同じで、心原性酵素の上昇はなかった。心エコー検査で心筋の動きは正常だった(前壁のOMIではなかった)。心電図で心室性期外収縮(単発)があったので、ホルター心電図も行われた。患者さんの退院希望があり、二トロール頓用を持って退院になった。

 こういうのは緊急心カテの適応はないのだろうか。一昨年までいた別の循環器科医は、午前中に忙しい外来があるので、緊急で心臓CTを行なってから判断していた。この患者さんは血清クレアチニン1.37mg/dlとCKDもあり、やりにくいか。

 

 朝方の午前4時過ぎに重度の喘息発作で41歳女性が救急搬入された。別の病院(150床くらいの私立病院)に気管支喘息で通院していた。ふだんは発作時の吸入で治まるらしいが、今回はだめだった。 

 搬入時、血圧70/50で、酸素吸入10L/分でも酸素飽和度が80%前後だった。搬入時は全身をこわばらせて、眼球上転していたそうだ。ステロイド点滴静注とアドレナリン皮下注を行って、アンビュバックで補助呼吸をした。血圧は上昇して一時的に200になったが、その後正常化した。治療に反応して、酸素4L/分で酸素飽和度100%と呼吸状態も改善していた。

 こちらは午前8時半になってから、かかりつけの病院の主治医に電話で相談した(当院に呼吸器科はない)。そこは呼吸器科が2名いるが、夜間休日の救急には対応していない。病院車で迎えに来てくれることになり、転院して行った。危機は乗り越えているので、通常の喘息発作の治療で何とかなるのだろう。

 

 それにしても、2名とも外科ICUに入院させた外科医はよく自分で診たものだ。朝になったら専門医に依頼したり、送るつもりでいたので、朝までしのげればという気持ちだったとは思うが。

 内科医の当方としては、前者はACS疑いで即救急搬送している。後者はとりあえずの治療をして、反応をみて決める。重度の喘息発作だと、気管挿管は意識下・呼吸苦で難しく、呼吸管理も十分な吸気を確保するのは難しいはずだ。たぶん2回くらい経験したことがあるが、自信はない。気管挿管したら、これまた即救急搬送する。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする