今日は当院が新型コロナウイルス感染症PCR検査の当番なので、午前中は院内で待機している。県内の発生は幸い治まっているので、検査なしで終わりそうだ。
当院のある県南部では新型コロナウイルス感染症の発症はない(PCR検査で確認したうちではということ)。大学生が罹患したという話もあったが、住所が県庁所在地なのでカウントされていないらしい。まだ多数の患者発生が続いている東京に比べれば、落ち着いた状況ではある。
当院で施行したPCR検査も20数例にとどまっている。連休中に毎日しなくてもよさそうだ、ということで5日にしますと保健所に届けていた(緊急で必要な時は要相談)。地域の基幹病院は3日と4日に行う、と保健所に連絡がいったそうだ。
2日は日直で、終わった後に院内に泊まっていた。3日の朝に94歳女性が熱発した。この方は誤嚥性肺炎で入院して、軽快後に嚥下訓練を開始していたが、また肺炎を来して経口摂取は中止した。家族の希望で高カロリー輸液を開始していた。
長男の嫁が、これでお願いしますといって、自分の首を指さした。高カロリー輸液のことをよく知っているのだった。「首を動かしてしまうので上からは無理かもしれない、足の方ですか」ともいっていた。
実際は股関節拘縮と陰部湿疹で、大腿静脈からのCVカテーテル挿入は断念した。内頚静脈がとっても見やすかったので、若い看護師さんに首をおさえてもらって、そこから挿入した。本当は、上腕からのPICCが好ましいのだろう。
肺炎の悪化時はDNARの方針にはなっている。94歳の高カロリー輸液の可否は病院では決められないので、希望に合わせるしかない。
酸素飽和度の低下はなく、尿路感染症(神経因性膀胱で尿カテーテル留置)と思われた。CVカテーテルが挿入されているので、血液培養も2セットも提出して、尿一般沈査・尿培養・胸部X線を行って、抗菌薬を開始した。その後解熱していたが、尿培養の結果はまだ出ていない。
3日の昼頃に地域包括ケア病棟に入院している75歳男性が熱発した、と報告がきた。
この方は心房細動からの脳血栓塞栓症(左中大脳動脈領域に出血性梗塞)で地域の基幹病院脳神経内科に入院した。経口摂取はできないと判断されて、当院に治療継続のため転院してきた。転院時は、内頚静脈からCVカテーテルが挿入されて、内服薬注入のための経鼻胃管も入っていた(抗凝固薬は中止)。点滴は末梢用のもので、それも経過をみて調整して下さい(つまり看取り方向)とあった。
転院日の午後から、悪寒戦慄・高熱が発症して、結果的にはCVカテーテル関連血流感染だった。何とか軽快したころに、右下肢の脈に血栓塞栓症が起きた。下肢切断は困難で、保存的に診るしかなかった。脳出血を来す可能性はあるが、抗凝固薬を再開した。下肢の壊死からの感染症併発で悪化すると思われたが、乗り切っている。
抗凝固薬は血便が出たり、血尿が出たりした時に休止して、現在投与中。右鎖骨下静脈からCVカテーテルを挿入して、高カロリー輸を行っていたが、その後も2回高熱が出た。血液培養2セットと尿培養を提出して、幸いに血液培養は陰性だったが、尿培養からは緑膿菌が検出された(PIPCに感受性あり)。
さらにその後に嚥下訓練を行って、嚥下調整食3まで食べることができた。連休明けにはCVカテーテルを抜去する予定にしていた。尿混濁が目立っていたので、今回も多分尿路感染症でいいかとは思う。培養提出後に抗菌薬を開始して、解熱していた。
今回もいつものように?悪寒戦慄から始まったが、今回は眼球が上転して数十秒痙攣も起きたという。看護師さんに確認したが、悪寒戦慄だけではなくて、あれは痙攣ですという。症候性てんかんとしてイーケプラ(点滴静注で500㎎を1日2回)も開始して、その後は治まっている。
休日は喫茶店を3軒くらいはしごするのが好きだが、この時期はできなくなっている。医局のコーヒーを飲みながら、今日は夕方まで病院にいて、「かぜ診療マニュアル 第3版」などを読んで過ごすことにした。「喫茶店〇〇(病院名)」と称している。