なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性心不全

2023年02月18日 | Weblog

 木曜日の午前中に、肺炎の高齢女性が救急搬入されるらしいと聞いた。救急当番の外科医(大学病院からバイト、外科外来の受診は少ないので、救急外来対応も兼ねている)が、隣町の内科医院からの要請を受けたのだった。

 急性期病棟(当院の急性期病棟は1つだけ)でコロナのクラスターが発生していた。その日も病棟の看護師さん1名が、咽頭痛でPCR検査を受けて陽性だった。さらに同じく咽頭痛を訴える看護師さん2名も、追加でPCR検査を出すという時だった(結果は1名が陽性)。

 この状況で新規入院は大変だなあと思ったが、コロナ対応で忙しく救急搬入のことは忘れていた。午後になって確認すると、地域の基幹病院循環器内科に急性心不全・急性心筋梗塞の疑いとして搬送になっていた。

 

 88歳女性が前夜の入浴時から呼吸苦が出現して、かかりつけの内科医院を受診した。体温37.2℃で、胸部X線で両側肺炎とされて、救急要請をしていた。

 胸部X線はいわゆるbutterfly shadowで、急性心不全の像だった。胸部CTも診ていて、両側胸水貯留と中枢側の肺水腫が確認できる(慢性心不全の増悪かもしれない)。

 心電図ではV1-4でpoor r wave progressionがあり、V5-6でST上昇があるように見える。陳旧性前壁中隔梗塞+側壁梗塞だろうか。血液検査ではBNP 2119pg/mLで、トロポニンIが10578.2pg/mLと上昇していた。

 一晩自宅で我慢して律儀に日中になってから受診しているが、自宅内で急変しなくてよかった。急性期を過ぎると当院に療養入院の依頼が来るかもしれないが、現在はコロナの院内クラスターで転院受け入れをストップしている。

 

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