8月23日水曜日の当直は腎臓内科の若い先生だった。午後5時過ぎに、隣りの市の救急隊から搬入依頼の電話が入っていた。
高熱・咽頭痛・頭痛の25歳男性だった。その日の朝から症状があり、発熱以外のバイタルは問題ない。特に既往歴はなかった。(39℃の高熱でびっくりして救急要請した?)
「今の体制ではコロナだと入院が難しいので」と話していた。急性期病棟は入院数が増えていて、コロナ患者さんの使用を想定した病室にもそれ以外の患者さんが入っている。
その日は、午前中の内科再来と午後の発熱外来担当だったが、やっと終わって帰った。次の日確認すると、その患者さんは入院になっていた。
コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性だった。搬入時は時間外で簡易検査を行っているが、発症初日で白血球7400・CRP0.7と炎症反応はごく軽度だった。CVA tenderness陽性で尿路感染症疑いとしていたが、たぶん違うだろう(症状は上気道感染)。血液培養2セットを提出して、セフトリアキソンを開始していた。
翌日の検査では白血4600・CRP2.1とCRPがちょっと上がっていた。翌日は体温37.6℃で、食欲はあり朝から完食している。
多分夏風邪の何かなので、髄膜炎はないだろう。アデノウイルスは迅速検査があるので、やってみてもいいかもしれない。(エンテロウイルス属の何かだとわからない)
基幹病院だと入院にはしない(外来で点滴と検査して帰宅)と思われるが、ADL自立の個室入院で数日で退院するのは当院のような病院としては悪くない。週末に退院するかと思ったが、週明けに退院予定となっていた。
今年の感染管理の院内勉強会は、永田理希先生の著書を解説する予定だ。経費節減のため、外部講師の招聘はできないので、昨年に続いて「この先生を招いたら、こんな話になるだろうシリーズ」になる。