なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

糖尿病で若い時から

2023年08月30日 | Weblog

 院内でコロナの患者さんが発生した病室に、糖尿病の52歳男性が入院していた。発熱はなくコロナの検査も陰性で、濃厚接触者として経過観察となった。

 現在外来で担当している別の先生がそのまま主治医になっている。現在はHbA1c10.8%で、血糖コントロールは良くないが、以前はもっと高く12~13%だった。

 

 2007年から当院の内科外来に通院していた。当時は36歳。母親が糖尿病で通院していて、2型糖尿病の若年発症ということになる。

 当時いた先生が担当して、処方はグリメピリド(アマリール)・ピオグリタゾン(アクトス)・ブホルミン(ジベトス)だった。ビグアナイドのブホルミンというのが歴史を感じさせるが、担当医が何故か好きで使用していた。

 その先生が移動になって(正確には当院がいやになって辞めた)、2011年から当方が担当になった。DPP4阻害薬(ジャヌビア)が追加になって、ビグアナイドはメトホルミンにしていた。

 2013年に糖尿病教育入院で3週間入院している。外来治療を継続して病院の糖尿病食にしただけで、血糖は改善していた。

 よくよく訊くと、大きなペットボトルのソフトドリンクを飲んでいたことが判明した。夜勤のある仕事をされていたが、食事内容にかなり問題があった。食事は好きなものというか、手に入れやすいもの適当に食べていた。

 2014年からGLP1受容体作動薬(ビクトーザ注)に変更になって、2015年から超速効型インスリンが追加になっていた。

 週1回糖尿病外来に大学病院から来てもらっているが、外来だけでは難しいと思われた。地域の基幹病院に糖尿病専門医が赴任していて、教育入院を宣伝していた。

 2018年に紹介して、教育入院となった。短期間の入院後に、当院の糖尿病外来に逆紹介となった。その後そちらの外来に通院していたが、何故か2022年から内科の若い先生の外来に通院するようになった。

 持効型インスリンを使用していたが、その後持効型と超速効型の配合されたライゾデクの朝夕2回打ちに変更になった。若い先生が移動になり(自治医大の義務年限、県の指示で移動)、現在の先生が外来で担当している。今回は血糖が不安定で、食欲不振で入院になったが、高血糖緊急症というのはないようだ。

 電子カルテで処方をみかえすと、糖尿薬の進歩をみることができるのだった。

 

 血清クレアチニンは0.9mg/dlで、案外腎機能は保っているが、10年後や20年後はどうなるか。

 

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