7月29日に発熱外来を受診した60歳代半ばの女性が、31日にまた受診した。
7月22日に発熱(37.5℃)・咽頭痛・咳が出現した。その後症状は軽減していたが、28日に自宅で市販のCOVID-19キットを使用して陽性と出た。
当院で迅速検査を行うとコロナ陰性だった。微熱(37.1℃)があり、咽頭痛は軽快したが、咳はまだ出るという。周囲にCOVID-19 罹患者がいたので、コロナなのだとうと判断された。解熱薬と鎮咳薬が処方された。
31日は胸が痛いような気がする、呼吸が苦しいと感じることがあるという訴えだった。症状は持続はしていなくて、受診時はなかった。酸素飽和度は96%(室内気)。
発症後9日目になる。患者さんは自分で車を運転して来ていて、会話はきはきと元気にできる。すでに解熱して咳も軽減して食欲もある。肺の症状が心配で来ていることもあり、画像で確認することにした。
胸部CTで確認すると、右肺背側の胸膜下に軽度のすりガラス陰影が散在していた。コロナらしいウイルス性の陰影だった。
抗ウイルス薬の時期は過ぎている。免疫性肺炎としてステロイド投与するかというと、適応とはいえない。
患者さんにその旨を伝えて、数日経過をみて、再度発熱があったり呼吸困難が持続する時に受診してもらうことにした。