8月9日(金)に病棟に行くと、NPPVを行っている患者さんが入院していた。前日の当直帯が始まってすぐに紹介されてきたCOPD増悪(肺気腫+肺炎)の患者さん(80歳代後半男性)だった。
施設に入所していて、その日の昼から呼吸困難があり、クリニックを受診した。酸素飽和度が70%台で、胸部X線で右肺に広範な肺炎像があり、救急搬送してきた。当直だった腎臓内科の若い先生が対応していた。
搬入時、酸素5L/分でPaO2 44.3・PaCO2 31.9・pH 7.363だった。自発呼吸だけでは無理と判断して、NPPVを開始していた。
胸部CTで右下葉を中心に浸潤影を認めた。気腫性変化があるので、べったりとした均一な浸潤影ではなく、隙間のある浸潤影になる。
抗菌薬とステロイドが開始された。NPPVまでは行うが、病状悪化時はDNR(この場合は、気管挿管・人工呼吸、心臓マッサージはしない)となっていた。
翌9日の血液ガスは、PaO2 100.0・PaCO2 32.3・pH 7.370となっていた。週末もてば、改善する可能性がある。
鎮静剤としてデクスメデトミジン(オリジナルはプレセデックス)を使用していた。あらかじめ希釈されたデクスメデトミジン静注用シリンジ(200μg/50ml)があるのだった。
初期負荷が6μg/kg/時・10分間で、維持が0.2~0.7μg/kg/時で持続注入になる。(体重60kgで、初期負荷が90ml/時で10分間、維持が3~10ml/時)