8月23日(金)に地域の基幹病院から90歳代前半の男性が転院してきた。COVID-19 罹患による廃用症候群に対するリハビリ目的だった。
超高齢だが、車椅子からつかまって立ち上がることはできる。家族も室内でトイレまで歩行できればいいというので、短期間のリハビリで済む見込みだ。
どちらかというと、血糖コントロールに手がかかりそうだった。今回使用したデキサメサゾンによって、糖尿病の血糖上昇を来してて、糖尿病科の介入でインスリン強化療法が導入されていた。
超速効型インスリンが(8-4-4-0)単位、持続型が(0-0-4-0)単位で単位数は多くないが、継続になると家族が習得しなければならない。経口血糖降下薬にしてほしいということだった。
8月3日から嘔吐があり、8月4日(日)に救急搬入された時は、酸素飽和度が低下していた。COVID-19中等症・誤嚥性肺炎と診断して、レムデシビル・セフトリアキソン・デキサメサゾンで治療をしていた。呼吸器症状は速やかに改善したとある。
送られてきた画像を見ると、COVID-19肺炎(ウイルス性)のようだが、一部浸潤影のようにも見える。入院当初からデキサメサゾンも使用しているが、当院だと急性期には使用しないかもしれない。
糖尿病はDPP4阻害薬内服が処方されている。経過を見るだけではインスリンをすぐに中止するのは難しいかもしれない。超高齢者だと、無難なDPP4阻害薬の次の経口血糖降下薬は迷う。
若年~中年だとメトホルミンand/orSGLT2阻害薬で決まりだが、超高齢者だとどちらも使用し難い。SGLT2阻害薬だとサルコペニアになってしまう。結局SU薬ごく少量(グリクラジド10~20mg)にすることもある。