8月2日(金)に80歳代後半の男性が発熱外来を受診した。4日前から38~39℃の発熱が続いていた。
発熱外来なので、コロナとインフルエンザの迅速検査から始まるが両者陰性だった。問診では呼吸器症状はなく、発熱以外の症状はないということだった。悪寒戦慄はなかった。高齢者なので、何らかの細菌感染が疑われる。
画像検査、血液尿検査をすることにした。胸部X線で肺炎はなかった。尿混濁もなく、肝機能障害もなかった。四肢痛はないというっていたが、下肢をみると左膝関節の伸側に発赤を認めて、ぷよぷよとしていた(液体貯留を示唆)。
膝関節全体が腫脹しているわけではなく、膝関節の屈伸は問題なくできた。膝関節X線ではOAの変化にも乏しく、きれいな関節だった。
発赤は膝蓋骨の大きさで境界は比較的明瞭だった。蜂窩織炎というより丹毒様なのかもしれない。入院で抗菌薬を開始すると、週明けには解熱していた(発赤も退色していた)。
発赤した左膝関節部の痛みを再度訊いても痛くないという。圧痛はあると思うが、それほどではないようだ。他疾患の可能性もあるので、血液培養2セットは外来で提出しておいた。