なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

抗酸菌塗抹陽性

2025年01月12日 | 呼吸器疾患

 1月6日(月)に70歳代前半の女性が血痰で内科外来を受診した。昨年の12月末から血痰が続いていた。大学病院から来ている先生(総合診療科)が担当していた。

 1月8日(水)に外来の看護師さんから連絡がきた。1月6日に喀痰が出ず、1月7日に喀痰を持ってきたそうだ。その喀痰の抗酸菌塗抹が陽性(ガフキー2号)だった。結核菌TRC(RCR)もオーダーされていた。

 7日に検査室から抗酸菌の喀痰培養に提出するには量が少ないといわれて、1月8日にも喀痰をとって患者さんが持ってきた。培養検査のオーダーがないので入れてほしいということだった。

 胸部X線・CTの画像を見ると、左肺下葉背側に空洞性病変とその周囲の斑状影を認める。MACのTRC(PCR)も提出して、結核菌培養(液体培地)をオーダーした。

 この患者さんは一人暮らしだが、仕事はしている。外来で診た先生は1月9日の呼吸器外来(大学病院から応援医師)に予約を入れていた。

 ちょうど9日に喀痰の結核菌TRC(PCR)陰性の結果が出ていた。非結核性抗酸菌症(NTM)として、1か月半後に画像検査再検となった。(抗酸菌培養の結果が出る頃に入れたということだろう)

 NTMとしては、線維空洞型(結核類似型)になる。NTMの線維空洞型(結核類似型)は、

 ・中高年男性で喫煙歴を有し、肺結核後遺症やCOPDなどの肺基礎疾患をもつことが多い。MACやM.abscessusで認められるが、M.kansasii症での割合が多い。・喀痰などの自覚症状があり、通常喀痰検査で診断がつくことが多い。「結核・非結核性抗酸菌症を日常診療で診る」(羊土社)

 その後、M.aviumのTRC(PCR)陽性と判明した。

 

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