11月13日(月)整形外科医に、大腿骨頸部骨折の80歳代女性の血糖コントロールを依頼された。11月11日の夜間に救急搬入されていた。当直の腎臓内科の若い先生が入院させていて、月曜日に整形外科に申し送られたばかりだった。
隣の隣の町内にある内科医院(糖尿病専門医)に通院している。時間外は血糖しか測定できないので、週明けに13日に検査してが、HbA1cが9.0%だった。
HbA1c はすぐには下がらない。2週間で食前血糖を100mg/dlにして下さいという。整形外科は無菌手術なので、結構血糖コントロールの要求は厳しい。そこまで下げると、低血糖も出てしまうので、140mg/dl以下でどうだろうか。
内科医院の処方は、DPP4阻害薬(リナグリプチン5mg1錠分1)・メトホルミン(250mg4錠分2)・グリニド(レパグリニド0.25mg3錠分3だった。グリニドは中止した。(リナグリプチンと、手術まで間があるのでメトホルミンは継続)
入院後の血糖は、空腹時が200mg/dl台で、昼夕の食前血糖が300mg/dl台と高かった。骨折の影響でふだんよりさらに高いのだろう。インスリン強化療法(持効型+超速効型)で開始した。それぞれ3単位で開始(超速効型は血糖高値の時は増量)した。
翌14日にも血糖はほとんど変わらず、それぞれ4単位(超速効型は血糖高値の時増量)に増量した。尿カテーテル留置もあり、SGLT2阻害薬は追加し難い。
術前血糖コントロールの目安は、空腹時血糖140mg/dl以下(100~140mg/d)、食後血糖200mg/dl以下(160~200mg/dl)、尿糖(1+)以下、尿ケトン体陰性になっている。
手術延期の基準は、空腹時200mg/dl以上または食後血糖300mg/dl以上、尿ケトン体陽性なので、今はまさにその状態だ。(尿ケトン体は陰性)
別の糖尿病の患者さん(60代女性)は膝関節の手術を希望していたが、膝外来に来ている専門医(別の整形外科専門病院から応援)にHbA1c6.4%以下にしないと手術しないといわれた。
何とかして下さいといわれた。直近のHbA1cは6.9%でそう悪くない。そのままでもHbA1c<7.0%の基準は満たしている。(インスリン強化療法にGLP1受容体作動薬・SGLT2阻害薬で治療している)
薬剤調整で6.7%(1か月弱の変化)になったところで、このままいけば6.4%以下になる見込みとして、手術日程が決まったそうだ。
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