昨日内科医院から大腸憩室炎として61歳女性が紹介されてきた。今年の5月に大腸憩室炎で当院に入院していた(担当は内科の別の先生)。
今回は4日前から発熱・腹痛・嘔吐があり、内科医院で点滴と抗菌薬の投与をしていた。抗菌薬はセフトリアキソン注とレボフロキサシン内服で、外来治療薬としてはよいが、腹部の炎症だと嫌気性菌カバーはないことになる。
この患者さんは知的障害(精神遅滞)があり、施設に入っていた。家族は北陸地方に姉妹がいるだけだった。
改善しないのでという紹介だった。内科の若い先生が内科新患担当だった。腹部CTで腹腔内遊離ガス像を認めて、大腸憩室穿孔疑いとされた。S状結腸に多発性に憩室がある。そのうちどれかが穿孔したと考えられた。
若い先生は家族に電話で連絡してから、地域の基幹病院外科に相談した。幸いに受けてもらえて、搬送となった。
今日内科の別の先生(元外科医)に訊いてみた。手術しなければ亡くなります、ということだった。「憩室のあるS状結腸を切除して直接吻合するのは、炎症のある状態では難しい。いったん人工肛門造設(下行結腸)になるのでは」、ということだった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます