朝、当直だった外科医から連絡があり、午前7時過ぎに発熱・喘鳴で受診した80歳台女性がいて、胸部X線・CTで左肺炎があるという。肺全体に気腫性変化を認めるが、喫煙歴はない。確かに喘鳴を聴取する。神経内科にアルツハイマー型老年認知症で通院しているが、その場の会話は可能だ。血液ガスは酸素分圧80、二酸化炭素分圧30(酸素2L/分)。外来でネブライサー(べネトリン)とネオフィリン・デカドロンの点滴、さらに抗生剤(ロセフィン)を1回入れてから入院とした。
内科新患は、直接受診した患者さんの他に、開業医や他の病院からの紹介が5名あって忙しかった。
60歳女性は、もともと軽度の精神遅滞がある。慢性副腎皮質機能低下でホルモン補充療法(コートリル内服)を続受診さけていた。前回入院は洞不全症候群で心臓ペースメーカー植え込み術を受けた。数日前から低体温・体動困難となった。通院している開業医から電話で連絡が来て、入所中の施設の職員が連れて来た。感染症による急性増悪と思われるが、感染巣がはっきりしない。入院してもらって点滴でホルモン補充(ソルコーテフ)を行って経過をみることにした。1年以上診ていないので、この患者さんのことはすっかり忘れていた。
90歳台前半の女性が1か月以上前から38℃台の発熱が出没して、近くの病院に通院していた。原因がわからなかったらしく、当院に紹介された。炎症反応上昇と肝機能障害を認める。腹部エコーで肝実質内・肝内胆管内・総胆管内に腫瘤を認め、腫瘍マーカー(CA19-9)が上昇している。胃腸や膵臓の癌からの転移は考えにくく、総胆管あるいは肝内胆管原発の癌が広がったものだろう。胸水・腹水もあり、今のところ、食事もとれて、会話も年齢を考慮すると普通にできる。しかし癌は相当進行しており、予後数カ月だろう。消化器科医が外来の手伝いをしてくれていたが、この患者さんを引き受けてもらった。
内科新患は、直接受診した患者さんの他に、開業医や他の病院からの紹介が5名あって忙しかった。
60歳女性は、もともと軽度の精神遅滞がある。慢性副腎皮質機能低下でホルモン補充療法(コートリル内服)を続受診さけていた。前回入院は洞不全症候群で心臓ペースメーカー植え込み術を受けた。数日前から低体温・体動困難となった。通院している開業医から電話で連絡が来て、入所中の施設の職員が連れて来た。感染症による急性増悪と思われるが、感染巣がはっきりしない。入院してもらって点滴でホルモン補充(ソルコーテフ)を行って経過をみることにした。1年以上診ていないので、この患者さんのことはすっかり忘れていた。
90歳台前半の女性が1か月以上前から38℃台の発熱が出没して、近くの病院に通院していた。原因がわからなかったらしく、当院に紹介された。炎症反応上昇と肝機能障害を認める。腹部エコーで肝実質内・肝内胆管内・総胆管内に腫瘤を認め、腫瘍マーカー(CA19-9)が上昇している。胃腸や膵臓の癌からの転移は考えにくく、総胆管あるいは肝内胆管原発の癌が広がったものだろう。胸水・腹水もあり、今のところ、食事もとれて、会話も年齢を考慮すると普通にできる。しかし癌は相当進行しており、予後数カ月だろう。消化器科医が外来の手伝いをしてくれていたが、この患者さんを引き受けてもらった。