何処の地方にもいくつかの白品種があって、それぞれに個性を持っています。
アルザスならリースリングとゲヴルツトラミネールが全く違う個性で横綱を張っていますし、ボルドーならセミヨンとソーヴィニヨンブランが対角にあります。
赤品種も同じです。
ローヌに於いては北はシラー、南はグルナッシュ。全く違う個性です。
ではローヌの白はと言うとマルサンヌとルーサンヌという双方とも「サンヌ」という音で終わる2種の葡萄があります。
確かに少し違うのですが、私の舌では非常に似ている、としか言えません。
酸が控え目で角が無く、しかしアルコールのボリュームは豊か。
最初の内は樹脂的な香りが支配的で「愛想のない」印象があります。
しかし、数年寝かせるとグンと開いてきて、香ばしさが元来あった円やかさに加わり、包み込むような印象で、存在感が増してきます。
私の中では「キノコやトリュフにはローヌの白」というのがあって、出来ればトリュフの香りにはローヌでいきたいな、と思っているのです。
しかし、残念ながら丁度良い飲み頃のものは、そう多くなく止む無く樽熟成したシャルドネをわせることになっている現状です。
でも、有難いことに今月はあるんですねえ。
サンジョセフ村のランベールという畑の白。マルサンヌによる2007年です。
今、いい感じで開いておりキノコ系の料理には抜群の仕事をしてくれています。
料理あってのワイン、を感じさせながら自己主張もあり、それだけでも楽しめるかな、と思います。
殆どの人には聞きなれない、或いは飲みなれないワインですが、秋から冬にかけてのベストプレーヤーです。
一度お試し頂きたいと思います。