ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ワインの「バイプレイヤーズ」

2018年03月10日 02時34分55秒 | ワインの事
主役がカベルネソーヴィニヨンやピノノワール、シラー、シャルドネ、リースリングetcとしたならば、いつも主役じゃないけれど地味に活躍するワインの「バイプレイヤーズ」もありますね。


ボルドー系ならマルベックやカベルネフラン、プティヴェルド。

ブルゴーニュ系ならアリゴテやピノブーロ。

ローヌのムールヴェードル、マルサンヌ、ルーサンヌ

シャンパーニュのムニエ

他にも沢山ありますし、上記のものはもはや「バイプレイヤーズ」ではないかもしれません。

そして、他の国のものも含めれば星の数ほど、です。


しかし、ご存知のようにドラマ「バイプレイヤーズ」の方々のように、実はそれぞれが主役も張れる力があります。

亡き大杉漣さんもそうですし、遠藤憲一さん、松重豊さんなども・・・

ですが、多くの時はイケメンや美人の主役を引き立てる役割を担っています。


そむりえ亭のようなワインの使い方の場合、いつでもワインには主役が廻ってきません。


何故なら料理が主役ですので、ワインの登場は料理のオーダーを待たなければ決まらないのです。

ですから、例えば今月はメインの肉料理の半分は白で合わせるものですので「さあ、肉だからいい赤ワインだ」と思っていても出てくるのは聞いたことがない白ワインかもしれません。

「そんなん、ただの意地悪やん」と言われてはいけませんのでオーダーの確認時に「仔羊は白で合わせますが良いですか?」と聞きます。

大概のお客様は「え?」という顔をされますが、次の瞬間には「おもろそうやねえ」と納得、実食して更に納得。


つまり、メジャーな葡萄品種もマイナー品種も料理にとっての「バイプレイヤーズ」なんですね。

或いは同じ地方のワインの序列が低いものが「あの料理には合うねん」という場合もあるんです。


有名ワインや品種は実際のところ重要な役割を為しています。

だって、多くの方々はワインの事に詳しくないわけですから、「何百何千」という品種を覚えるとか、使いこなすなんてできないのです。

「品種のいろはの【い】」として、

或いは注文時の「カベルネ【みたいな】ワイン」「ピノのような酸味が好きだけど、今日は他の品種で」的な使い方が出来ますから。


さて今月のそむりえ亭もそんなワインがいくつか開いています。

主役を追いかけずにニュートラルな目で見て楽しむのもワインの醍醐味です。

「バイプレイヤーズ」をお楽しみください。


             樋口誠