ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

定点観測か?はたまた・・・・

2018年03月15日 02時51分08秒 | ワインの事
同じ仕事、同じ職場で一筋にしていると、お客様の変遷や料理の変遷が解りやすく

同じお店に通っていることで「意外な変化」に気づくこともあります。


その逆に、職場をどんどん代えることで「いろいろな人材」を発見し、「自分の隠れた能力」や「力不足」に気づいたりもします。

お馴染みを作らず、常に新しい店での食事をすると「なんで今までこんな美味しいものを知らなかったんだろう」ということもあったり、「やはり、あの店の方が良かった」ということも見えます。


ワインも同じですね。

世界中のワインにはそれぞれ個性と良さがあって、ソムリエ業をしていると「あれも、これも」という気持ちになります。

また「ここのワインは毎年使っている」という人は年ごとの個性の違いを身体に叩き込みやすい訳です。

しかし、ワインに関しては「どちらかに絞らなければならない」ことはありません。

いつものアレ、と新進のソレ、が絡んだ品揃えが出来るのがワインの面白さ。


「お客様に驚きを」と珍しいものばかり集めるソムリエもいますが、お客様ってそんなに珍しいものを探しているわけじゃないですよね。

限られた人生の中での食事のお供ですから・・・・


「うるさいなあ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、上記の理由を解消するには「グラス売り」かなと思うのです。

前菜には最近流行りのソレ、メインには安定のアレ、という風に、です。


定点観測か、移動観測(というのでしょうか?)

どちらも大切な視野を与えてくれます。


         樋口誠