写真のワイン。
南アフリカのワインです。
とてもバランスが良く高品質で、しかも価格がリーズナブル。
今月、そむりえ亭で使っています。
しかし、私が気に入っているのはソコではないんです。
かねてより言及しているボトル形状の話です。
最近の多くのワインは「肥大化」や「いびつ化」していて、幾つもの難点が出てきています。
1:重い
a:力の弱い女子には重すぎる
b:運搬手段に馬力を要する=エネルギーの無駄
2:太い
a:セラーの場所を取る
b:手の小さい女子が持ちにくい
c:輸送コンテナやトラックに積める単位が小さくなる
3:肩が張り出して横に寝かせても重ねられない。
a:2のa、c同様に場所を取り、輸送に不便
4:ボトル原価が高いはずなので、ワイン価格にも多少なりとも反映されているはず。
5:ガラス資源を沢山要する。
大きな部分はこういう所です。
これらのボトルは比較的に新しい産地(いわゆるニューワールド)や古い産地でも「新しい風」を意識している所のものなどに目立ちます。
で、写真のワインに戻りますが、南アフリカのワインは「比較的」にスマートで軽め=ボルドーのボトルのようとも言えます。
全てとは言いませんが、他にも南アフリカのワインの持つ「優しさ」があって・・・・
例えば、教育支援やフェアトレード、或いはピンクリボンなどの「社会に優しい」ワイナリーも多いと感じるのは「たまたま私の周囲」に多かっただけなのでしょうか?
考えすぎかもしれませんが、86年にアパルトヘイト「人種隔離政策」から解放される以前の悲しい歴史がそうさせるのかも、などと思ったりします。
いや、そういう点だけでワインを選ぶわけでもありません。
しかし、同じ品質で同価格のワインが目の前にあるなら、間違いなく写真のようなスマートなワインを選びます。
インポーターの方々の多くは「いやあ、でかいボトルが売れるんです」と言います。
本当かなあ・・・・
私が普段の買い物をするスーパーで重い大きいボトルを持っている主婦の方を見たことはありませんし、以前に某調味料メーカーと組んで関東のスーパーの「鍋ツユとワイン」のコラボで選んだワインは普通のボトルでも売れていたと記憶しています。
エコ、CO2排出を減らす、省エネ・・・等々、世間で騒がれて久しいのにワイン業界ではそうではない、というのが寂しい限りです。
あ、ウルさいオジサンになりましたね。
ごめんなさい。
樋口誠