ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

軽いから〇〇、重いから云々

2018年05月10日 02時00分45秒 | ワインの事
と、いう判断は難しいものです。

例えば・・・・

「このワインは重いから長く寝かせたほうが良い」

「あれは軽いから寝かせずに早く飲もう」


しかし、赤のカベルネ等のタンニンの豊富なワインに関しては、重いといわれる年の方がタンニンは豊富でも丸く熟し、早くから美味しいものですし、寝かせると酸化的になりがちです。

逆に軽いといわれる年のものはタンニンが硬く、酸も鋭く感じ寝かせることで解れることも判っています。


だいいち「重い」とは何を指しているのか?が問題です。


人間でも痩せていても筋肉質な人は「重い」ですし、

少々太っていても脂肪質の人は意外に軽い。

人間でいう「ガタイがいい」は筋肉、骨、脂肪などの必ずしも全部を指すわけでなく、それぞれが程々でも一つが突出していると「あいつガタイがええなあ」となるわけです。

で、ワインに当てはめると、アルコール、酸、タンニン、ミネラルなどの総合的なもの、若しくはいずれかが「フルボディの根拠」になるのだろうと思います。


その中でもややこしいのがタンニンです。

実は私の中ではタンニンは「重い」若しくは「フルボディ」の根拠になっていません。

何故なら「いずれ減っていくもの」だからです。


他の要素も変動はあるのかもしれませんがタンニンほどの変動はありませんね。


しかしタンニンは熟成感の天秤になっていることも否めませんので3行目で触れた訳です。



そむりえ亭では重かろうが、軽かろうが、タンニンが硬かろうが柔らかかろうが、すべてはマリアージュで解決したいと思っています。



ワインにも「流行」があって、現在はスマートなワインに振り子が振れているようですが、いずれ逆に振れていきます。

皆さんには「流行に鈍感」であって欲しいと思います。


        樋口誠