ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

各々の人のワイン

2018年05月16日 02時11分51秒 | ワインの事
「このワインは軽くて良いね」

「このワインは軽くて頼りないね」

「このワインは渋くて良いね」

「このワインは渋くて飲みにくいね」


同じワインに対しても各々の感想は違います。

当然ですね。

それは「味覚が違う」とか「感性が違う」ということではありません。

だってレモンは酸っぱくオレンジは甘い、というのは(ほぼ)万人の感想なはずですし

肉は煮ると柔らかく、焼くと硬い、というのも共通の認識なはず。


なぜワインの場合の印象が人によって違うのかと言えば「体験が違う」というのが私の認識です。


日常の食卓で家計に負担のないワインを飲む人

常に高級レストランなどで「格付けワイン」を飲む人

カリフォルニアのワインがお気に入りの人

日本のワインがお気に入りの人


多くの人は「飲みつけている範疇」というものがある訳ですし、

全ての国や分野のワインを飲み比べて今に至っている人は稀なのです。


ただ言えることは日本でのワイン市場での80%は市販価格2000円以下、5000円以上のワインなどは1%台。

つまり「高いワインを飲んでいないから恥ずかしい」などと思う必要もありませんし、2000円以下のワインで「重い、軽い、渋い、渋くない、酸っぱい、酸っぱくない」などの基準を持った人の方が「普通」なのですね。


若いうちから高いワインを常としている人のブラインドテイスティング能力は結構弱いんです。

勿論、安いワインを「がぶがぶ」と痛飲していても、その能力が高くなることもありません。

しかしまあ、人生でブラインドテイスティングなんて必要ありませんし・・・・


ただソムリエは、キッチリとテイスティングする能力を身に着けないといけない。


若いソムリエにお願いしたいことは

「安いワインを放置しない」

「高いワインに寄らず」

「好き嫌いで判断せず」

「服屋さんがするようなキッチリとした採寸のような」

テイスティング技術を身に着けてほしいと思います。


さて今月のワインは同じ品種の産地違いや同じ生産者のグレード違いがもあります。

「食事に合わせる」のがそむりえ亭の絶対的な条件です、

その中での比較はしていただけます。

お勉強中の方は一言声をおかけください。
(ブラインドテイスティングは基本的に食事中には致しません)


今日は(も)お席に余裕がありますよ~~~!


         樋口誠


           樋口誠