ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

介護の記録

2019年10月21日 00時20分14秒 | 日記
忘れていたわけではありませんが、ついついサボっていました。


母の介護で私が救われた事の一つは食事です。

下手くそな私の造るものに毎回ではないものの「これ、美味しいね」という時があったんです。

自分でも「う~ん、どうだろう?」と思うようなものでも頑張って食べてくれていました。

認知を患っていましたから「息子への気遣い」とかではありません。

きっと「おなかが空いていたから美味しい」なのですね。


しかし、その「美味しい」が時を経るにつれ、私の勘違いを誘発していました。

「肉が好き」

「歯が良いので噛むのが好き」

「食べることが大事」

と言っていた母ですので「美味しい」の言葉に「より普通に近い食事」を頭に置いて造っていたわけです。


けれども咀嚼や嚥下の能力は少しづつでも落ちているわけですから、噛まなくても良いものや、喉に引っ掛からないもの、トロミをつけたものetcに早め早めに切り替えていた方がよかったのだろうと思っています。

今、そういう立場にある方は介護の専門家の意見をよく聞いて親御さんに向かってください。


いや、今でも最期のあたりで「一口でも美味しいものを食べさせたかったなあ」と思います。

でも、です。

見えない老化を如何にして捉えるのか?

難しいことですが、周りのプロを上手に活かして頂ければと思います。


      
         樋口誠