昨日は自転車での帰宅が寒かったなあ・・・
営業時間中もお客様が「寒い、寒い」と言いながら入って来られていました。
ま、最低気温を見ると10度以上はありましたから、仕方のない範囲なのですが、身体が温かい気温に慣れてしまったのですね。
ま、アッという間に暑くてタマラナイ日々が訪れますので、我慢ですね。
さて昨日はワインの味わいの前後関係について書いていましたが、温度も影響を受けますね。
何度か書いている話です。
よく言われる「グラスの中で空気に触れて変化してゆく」と言うのは実は「空気と触れる」こと以上に「温度が変って」印象が変る、と言う部分が大きいのですね。
どんなワインでもグラスの中で温度が上がっていきます。
少なくても人が心地よい室内の温度より飲み頃温度が上、という事はありません。つまりグラスの中で温度が下がる、という事はあり得ない、と言っていいのですね。
ならばソムリエとしては最初にお注ぎする温度は微妙に低めで考えます。
で、飲んでいる中盤で適温になることを目指します。
という事は最初は冷たい訳です。
冷たいとどうか、というと甘みが抑えられます。
また酸味がフレッシュに感じます。
少し温度が上がると甘みが増してきます。
さらに上がると酸味が鋭くなるのです。
ですから酸の強いワインは温度が上がりすぎることは要注意。
逆にタンニンは温度が上がると円やかな甘みを持ちます。
渋茶は覚めると嫌な渋味ですが、アツアツだと円やかですもんね。
しかし、昨日の論にあるように何を召し上がっているかで、その酸味に印象や渋み加減は変ります。
所謂グランヴァンをワインだけで嗜むときは別として、食事を頂きながらの場合は、そのワインの特性が目立つくらい(渋いワインが渋く感じる、酸っぱいワインがフレッシュに感じる)温度の方がマリアージュの実感があるかもしれません。で、ひと口、ふた口と頂いている内にワインそのものも最高のコンディションになっている、と言うのが理想かな、とソムリエ樋口は思います。
じゃ、お前は温度計とニラメッコしているのか?と言われそうですが、今は持っていません。(昔は持ち歩いていましたが)そこは「勘」です。微妙にずれているかも知れません。でも3度も4度もずれているという事はありませんので、どうぞ安心して召し上がってください。
話はご自宅での扱いに戻ります。
皆さん、ワインは先ず温度設定から始めて下さい。
家では難しいかもしれませんが、「しっかり冷やす」「ひんやり位」「ぬるめ」「室温に近い」くらいで結構ですので「温度合わせ」をしてみてください。ワインショップで大体の温度をお聞きになってチャレンジしてください。
普段のワインがワンランクアップすると思います。
ちなみに赤ワインが室温、なんて言うのは忘れましょうね。温かすぎます。
「え~~~、難しいやんか」と言う方はそむりえ亭の現場で温度調節の方法をじかに見て頂けるといいかな、と思います。
お待ちしています!!