味覚は前後関係で印象が変る、というのは皆さん良くご存知ですね。
判りやすいのは歯磨きの後の御飯などです。
ワインは中でも大きな違いを見せます。
例えば強い酸味の後では大概のものは甘く感じます。
甘い印象の後では少しの酸味が強く酸っぱく感じます。
リースリングの鋭い酸味の後のニューワールドのカベルネソーヴィニヨンや南イタリアのワインなどは甘さが際立ちますし、その後のブルゴーニュの赤は酸が強く感じます。
同じタイプが並んだ時は、正確な判断になるのは言うまでもありません。
しかし、必ずしも都合のいい順番で召し上がって頂く訳にはいきませんね。
そんな時に大事なことは「一言添える」ことです。
「〇Xの後ですから少々酸味が強く感じると思いますけど・・・」と添えてお出しすると、大概は車のサスペンションの様に頭が微調整するものです。
また、そのワインをお出しする必然性の中に「酸味が必要」という事なら、むしろ「良い酸がある」と感じて頂けるものですね。
ワインだけを飲む場合は順番が大きな要素となりますが食事と合わせる場合の順序は飽くまで参考程度、と考えていいのです。
ちなみに最近は最後の方で泡ものやリースリングなど酸を感じさせるものをお出しすることも増えましたし、濃いめの赤を前半でお出しすることも良くあります。
それが料理のバランスにいい影響を与えるなら問題なしですね。
なんてことを言うのは、実は昨日はリースリングを何種類もテイスティングした後に赤、その赤も酸のあるものから、無いもの、より無いもの、再び酸のあるもの、と移り変わる順序で、「頭の中の引き算や足し算=微調整に苦労した、と言う直後だったからです。
でも、一緒に試飲した仲間とその予測をしていましたので、問題はありませんでした。
要は「一言添える」=微調整をして頂く、という事ですね。
味覚の予測変換、色々試して感覚を身に着けると便利です。