ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ワインの熟成のピーク

2012年10月21日 05時08分20秒 | ワインの事

これまでにも書いたことがあるかもしれませんが、ワインは何時が最適の飲み頃なのか?は、ワイン好きの論議に登場する機会が多い話題かも知れません。

しかし、言って見れば「飲む時が飲み頃」であるようにする、と言うのが正しい捉え方かも知れません。

これは「多くのワイン」の話です。

「多くのワイン」とは、この3日程のブログに登場する「ハレの日のワイン」でない普通のワイン。

これらは若かろうが、少し熟成が進みすぎいようが、まさに今のんでこそ意味があり、それにある料理が欠点を補正してくれます。

では「ハレの日のワイン」の飲み頃は?

だいたいにおいて、そういうワインは何万円もする訳ですから、何千円の価値のワインと同じくらいの味わいでは困ります。

液体の中に隠れている素質を解き放たないともったいないですね。

それは凄いスポーツ選手に小さすぎるグランドで試合をさせる、或いは違う道具で私議させるのと同じです。その選手に最適の環境で、最適の道具で試合に臨んでもらってこそ、我々にはマネの出来ない「超人的なプレー」を見せてくれるわけで、それが我々に至福の感動を与えてくれるのですね。

ハレの日のワインの飲み頃は何時か?

それはワイン次第です。当たりまえの話ですね。

しかし、強い年の熟成のピークは割と長く続きます。いわゆる高原状態、と言うものです。

ですから、かなり古いワインでも「待ちすぎて失敗」と思わず開けてみてください。

最初の10分、20分はやっぱり駄目か?と思う瞬間がありますが、次第に蘇ります。温度が良さを引き出すこともありますし、酸化が足りなかった、という事もあります。

仮に若すぎたな、と言う時は料理を少し強くすればいいのです。

多くの方は熟成に対して、恐怖を持っています。

「まだ大丈夫でしょうか?」「もうだめですよね!」って聞かれることが多いんですね。

しかし、話を聞いていると、いやいやマダマダ大丈夫!!!!ってワインが多いんです。

もし、今後そういうワインを開けられるときは、ワインの名前と年号をお伝え頂ければ、そのワインの扱いのヒントは差し上げられると思います。

「ケ」のワインは気軽に、「ハレ」ワインは繊細に、しかも大胆に、です。

ワインは、そこがおもしろいのですから、


今日もついでに「ハレの日のワイン」の続き

2012年10月20日 02時54分23秒 | ワインの事

2日続けて「ハレの日のワイン」の事を書きましたが、もう一回・・・・

と言うのも、なにせ「ハレ」ですから、失敗は残念ですもんね。

「ハレ」に飲みたいワインは有名で古いよく熟したワイン、という前提ですが・・・・・

そういうワインは、大概の場合にかなりの量の澱=沈殿物が出ています。場合によってはヘドロにも見える位です。これは美味しくないですね。「雑味」です。

よって、デキャンタなどによって取り除く、と言うより澄んだワインの上澄みを別の器=デキャンタに移す訳です。

しかし、最近よくおこなわれるデキャンタは若いワインを空気に触れさせる方法で、デキャンタの内壁にワインを広げる様に移す、或いは高い位置からワインを落としエアレーションする、事が多いのですね。

昔はデキャンタというと澱を取り除く為にするのが常でした。

あまり空気接触しない様に器の下面を糸の様に流したものです。

この場合、デキャンタは当然傾けています。前者のエアレーションをする場合は、あまり傾けませんので、お間違いの無い様に!!

勿論、ワインの出来次第で、エアレーションも必要な場合もありますし、若いワインでも酸化に負けやすい事もあります。

ま、古いほうが酸化しない方法を選んだ方がいいらしい、と覚えてください。

またブルゴーニュのワインの様にタンニンの少ないワインの古酒はデキャンタしないほうが良い場合があります。しかし、澱が気になる。

どうしましょう?

という事で、登場する道具がパニエ=ワインバスケットです。

昨日書いたように立てて寝かして落ち着かせたワインは澱が三角形に固まってボトルの底側面にあります。その傾きを維持したままボトルを寝かせて注げるのがパニエなんですね。

よって、ゆっくりとパニエにワインをいれ、震えない手でコルクを抜き、そ~~っと注ぐ。

難しいかもしれませんね。

という事で、古いワインのデキャンタは酸化させすぎない。場合によってはパニエを使う。

が今日の教訓です。

難しいなあ、と思ったらプロに任せて店で飲む!!

「ハレ」のワインを無駄にしない様に、です。


「ハレ」の日のワインを楽しむために・・・・

2012年10月19日 03時03分26秒 | スケジュール

昨日は「ハレ」の日と「ケ」に日のワインについて書きました。

中でも「ケ」のワインは日常のワインですから、気を使う必要のないワイン、つまり気軽に開けられるワインでないといけません。

しかし「ハレ」のワインは、そうはいきませんね。

大概、古いワインであったり、高級な長いコルクのワインであったりしてコルクを抜くのも一苦労なのですね。

ちなみにコルクは30年から35年位で寿命と言われています。

弾力が無くなり、パサついてきます。当然、弱いコルクになっている訳です。

ですので、勢いよくスクリューを差し込むと、ボトルの中に落としてしまったり、引き上げようとすると途中でちぎれてしまったりします。

こういう時のコツは、スクリューを力を入れずに軽く回し、通常より深く入れ込むことです。

場合によってはコルクを突き抜ける位で良いと思います。これによってコルクの最下部から持ち上げることが出来ますね。

そして、引き上げる場合はユックリとジワジワと、です。

最後の方に来たら、コルクを手で握りソッと抜き去るのです。

しかし、それ以前に大事なのは、古ければ古いほど、早い時期にボトルを立てて澱を沈める事。

出来れば、暫く立てて、時折横に寝かせます。ラベルを上に向けて、です。

また、立てます。

一ヵ月も経てば、澱はボトル背面の底に三角形の形に固まります。デキャンタも容易になりますね。

で、頂く温度より、やや低めにしておき、デキャンタとグラスへの移動で、ちょうどいい温度、という段取りが最高です。

いやあ、面倒ですねえ。

ですので、ソムリエの仕事があるのだろうな、と思います。

どうぞ、面倒な方はソムリエのいる店で「ハレ」のワインを楽しんでください。


「ハレ」と「ケ」

2012年10月18日 02時15分35秒 | ワインの事

敬愛してやまないワイン界の大御所中の大御所、と言えば山本博先生です。御年82歳?になられたスーパーマンです。

先生が使われる言葉の中に「ハレ」と「ケ」というのがあります。

関西人にはなじみが無いかもしれませんが「ハレ」は一生のうちに何度かあるハレの日、「ケ」は毎日の生活に密着した普段の、ということ、らしいです。

ワインは通常「ケ」の中で飲まれますね。

日常の食事に欠かせない飲み物なのですね。

ですから私は前職のホテル時代から「グラスワインで提供すれば、気軽に飲めるだろう」とやってきました。

しかし、何しろバブルの頃のホテルですから、「人生の節目の大事な食事」も多く「ハレ」のワインも沢山開けてきたことも間違いありません。

私は普段は「ハレのワイン」を飲みたいとは思いません。むしろ不要です。

御飯が美味しく頂ければ、気軽なワインで充分なんですね。

しかし、場合によっては「ああ、生まれ年のワインを開けたいなあ」とか「お祝いにちょっといいワンを開けたいなあ」と思います。

特別な節目に開ける気持ちのこもったワインは格別ですもんね。

しかし、営業上、双方を両立させるのは、私は難しいと思っています。

ですから、普段は選ばれたお料理にグラスワインをお勧めする、というスタンスは変える訳にはいかないのですが、予め早めにお電話頂ければ、相応しいワインを選んで、それに合う料理を考えさせて頂く、という事は可能です。

勿論、そういう場合でも手元にないワインは直ぐにはご用意できない可能性もありますが、ヴィンテージの指定が無ければ、それなりにお応えできるのではないかなと思います。

但し、そむりえ亭で開けているグラスワインは「ハレ」の日に飲むワインの弟分的なワインも多いと思います。

どうぞ、「今日は普通の祝いやないねん!!」と言う方は御予約の際に、お申し出くださいね。

お役に立ちたいな、と思います。


11月の事ですが、予告です。

2012年10月17日 02時03分42秒 | ニュース

先の話ですが、予告です。

11月26日(月)にワインメーカーズディナーのオファーがありました。

11月は色々行事が多くなりそうなんですが、実は皆様にそむりえ亭でお楽しみ頂けるチャンスの少ないイベントばかりなんですね。

例えば阪神百貨店のワイン祭りのイベントとしてのワイン会がありますが、これは阪神百貨店様のお客様で埋まってしまいます。

また近所のルクロさんの黒岩シェフとのコラボディナーもあるんですが、これはそむりえ亭での開催ではありません。

という事で、久々のそむりえ亭での開催イベント。

ワインメーカーはフランス南西部の「アランブリュモン」です。

シャトーモンテュスというワインで「超」有名ですね。

詳しくは、後日ご案内いたしますので、日程のみメモしておいて頂ければ、と思います。

良いワインが登場しますよ!!

お楽しみに!!


爆睡!!

2012年10月16日 08時26分24秒 | ちょっと休憩

昨日の盛岡は盛りだくさんの行事で充実した一日でした。

しかし、前日から一睡もせずに出かけたものですから、さすがに行事終了してご飯を頂いてから睡魔が襲って来まして、部屋に帰るなり「バタンキュ」で、更新をできずに寝ちゃいました。

という事で帰阪前の今、生きてますよ!!という位の更新です。

今日は帰って若干の仕事(事務)をして、ゆっくりしたいな、と思っています。

今週も怒涛の如く用事がありますので、がんばらねば、ですね。

という事で、ホテルから花巻空港に向かわねばなりません。

明日、お待ちしています!!!


2連休頂きます。

2012年10月15日 02時53分43秒 | スケジュール

昨日は久々の「ブログ見たでえ!!」に沢山の方がお越しになり、お陰様で賑やかに営業を終えることが出来ました。

実は今日15日はソムリエ協会の総会で岩手県は盛岡に出掛けますし、明日16日は定休日、という事で店を2日間の連休にしてしまう訳でして、昨日14日の営業は是非とも忙しくしたかったのです。

皆様、有難うございました。

なんて言いながら、兎に角、2日間も閉めてしまいます事、どうぞ、皆様ご容赦頂けますように・・・・・・

さて、ソムリエ協会の総会は半期に一度、各地を巡りながら開催していますが、今回は被災された東北ですので、復興チャリティなども含め沢山の行事があります。

私も些細なものですが出品を予定しています。

また「わんこそば早食い大会」にも知らぬ間にエントリーされている様ですので、頑張りたいと思います。

翌日、大阪に帰って若干の店の用事を済ませ、ゆっくり休みたいな、と思っていますが、更にその翌日は国際ソムリエ協会の認定試験の運営が朝から・・・・・

ハードな週が始まります。

まだまだ老け込んでいられませんね。

皆さんも秋の良いシーズン、色々と精を出されているかと思いますが、お身体には十分気を付けられることをお祈りいたします。


9月28日以来の、アレです。

2012年10月14日 03時08分33秒 | ニュース

いつも言うんですが、アレをしていないと「忙しいんじゃないか」と思われがちですが、実際の所はそうではありません。

確かに9月28日以来、何日かは忙しい日もありましたが、ヒマな時はヒマなんですねえ。

という事で今日14日はアレ=「ブログ見たでえ!!」を敢行します。

今回は8アイテムがお得ですよ!!

泡1:ラックス05(ワシントン州)                 1,150円→900円

泡2:ボランジェ.スペシャルキュヴェ             1,500円→1,100円

白1:アルザス.ブラン10マルセルダイス             950円→700円

白2:トゥーレーヌ.ソーヴィニヨン11ルッセリー         1,200円→900円

白3:コルトンシャルルマーニュ00ルイラトゥール      4,000円→2,500円

赤1:スリーレッグドレッド09ダンハム               1,000円→800円

赤2:フォリウム.ピノノワール11                   1,050円→800円

赤3:シャトーブースカッセ.ヴィエイュヴィーニュ09     1,350円→1,000円

如何ですか?特に太字のアレが超お得ですよ。白トリュフなんかとお勧めしたいですね。

「ブログ見たでえ!!」、是非囁いてくださいね。

お待ちしています!!!!


昨日は竹中店長の送別会。

2012年10月13日 04時10分24秒 | ちょっと休憩

昨日12日は竹中店長の送別会でした。

場所は何時もお世話になる「プティカッセ」さんです。

店長が好きなお店の筆頭のビストロで、金曜、土曜は遅くまで(午前3時まで)やっています。

皆様も週末遅い時間、お腹が減ったな、と言う時はお使いください。

ここでは昔懐かしい、というか本格的な本場のビストロ料理が楽しめます。

男4人でシェアしながら4品+デザートで大満足です。

店長もしっかり楽しんで新しい道を進むそうです。

といっても、彼はのんびりしてまして、まだ物件も細やかな形態も決まっていません。

決まり次第、お知らせしますので、お待ちくださいね。


ワインの色:濃さについて

2012年10月12日 03時29分07秒 | ワインの事

ワインの色は品種によっても違いますし、ヴィンテージによっても違います。勿論、造り方によっても違います。

しかし同じ産地、同じ品種でも色の濃さが違う事が有ります。

そういった場合「濃いほうがいい」とおっしゃる方がありますが、決してそんなことはありません。

ま、良い、悪い、と言う表現そのものが勿体ない考え方ですが・・・・

例えば、白の場合、しっかりした果汁で造ったワインは意外と色が薄いものですし、軽い果汁の場合は早いうちに酸化した濃い色合いになります。

赤の場合、元々濃い色合いのワインを強制的に酸化させて造るタイプ=スペインはリオハのグランリゼルヴァやイタリアのリゼルヴァと言われるものは、スタンダードよりも色が薄く見えます。

これは強い果汁からのワインを和らげるために樽に入れる為です。

同じ造り手の年号違いの場合、より年と言われる方が薄い場合さえあります。これは果汁の濃度が皮からの色素の溶けだすのが遅いから、とも言えます。

ですから「濃いから良いワイン」ではないのです。

では、そのワインのポテンシャルを色で見るにはどうするか?

ワインの粘性や輝き、または青系の色合いが見られるか、です。

但し、そういうワインは飲み頃が遅くなることが多いですし、お値段もいい感じです。

色が濃くても早くに飲めて料理を美味しくするワイン、じっくり時間が掛かるけれども進化して美味しくなるワイン。

色合いだけで全てが分かる訳ではありませんが、ま、何かの参考になるかもしれませんね。