旦那さんが若い頃、これでもかこれでもかというほどお世話になったママさんがいる。はい、呑み屋のママさんです。
文学座のアトリエ近く、10人もはいったらいっぱいになる小さなお店でした。
お酒もですが毎日築地に買い出しに行く新鮮な材料を使った肴、いえおかずが絶品で、
旦那はお金が無い時でも、腹いっぱい食べさせてもらったようです。
私と一緒になると決めた時も、つけが結構な金額であったのですが、ご祝儀よと言ってチャラにしてくれたのです。
そのママさんが年取ったからと繁盛していた店をたたみ、うまれ故郷にもどられたのはかれこれ10年前。
そして昨年心臓の手術をしたと聞いて、元気なうちに会いに行かなくちゃと、一念発起、
レンタカーを借りて長野県佐久市に向かった。
天気に恵まれて、もう本当に絶品な風景が続きました。
ママさんは、心配ないのよ~と、
昔通りの様子で迎えてくれました。
泊まらずに帰ると言ったらゆっくり呑めると思っていたのにと、
あれも持って行けこれも持って行けと、
とうとうトランクと後部シート全てにお土産を積み込んでもらった。
旦那はこんなに可愛がられていたんだと、改めて見直してしまった。
うちの旦那様、稼ぎは悪いが、性格は天下一品!
また来るからと約束をして、家路についた。
往きには写し損ねた富士山が、
帰りは何とかひっかかってくれた。
遠くの山影が富士山です。