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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「パンズ・ラビリンス」お伽話は実は残酷な物語

2007-10-16 00:09:19 | 大作映画ハリウッド系
「パンズ・ラビリンス」★★★☆
イバナ・バケロ 、 セルジ・ロペス主演
ギレルモ・デル・トロ 、メキシコ=スペイン=アメリカ
2006年、119分



1944年、内戦終決後のスペイン。
深い森の大きな田舎家へ
妊娠中の母とやってきた少女が主人公。

すべてが自分の思い通りにならない現実からか
少女は実は別の世界では王女だと
夢とも現実とも分からない時間を遊ぶ。

血なまぐさい戦争の中、
少女は自分の小さな世界の中でだけ
幸せに過ごすことが出来た。

子供の頃には誰でも
何かになれる自分を夢想する、
これはお伽話なのだなと思いながら見てると、
かなり過激なシーンが飛び込んでくる。

ナイフで口の端から頬にかけて
ざっくり切られる将校の様子なんて、
そのしぐさだけで十分わかるのに、
しっかりと切る過程を見せるし、
しまいには自分でその切り口を縫うところまで。

ここまで描写しなくてもと顔を背けるような
ソーンがいくつか。

子供向けの映画が出発点なら
こんなことはしないだろう。

だからこそ、余計にラストの少女の姿が
何とも無残でならないのだ。

映画は見終えて「あー面白かった」と
出来ることなら感じたい、
でもなかにはそうはさせてくれない映画もある。

混沌とした世界の中で
無垢なるものが汚されていく、
そして我々観客はただそれをなすすべも無く
見ることしか許されないのだ。

見終えてため息をつく、
それでもそれは、画面の中で精一杯生きた
少女を見送る祈りのようだった。

★100点満点で75点

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ハリウッド映画とは一味違う、
夢は見れないが計算された見せ方を堪能出来る

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「HERO 」V5達成!100億にまっしぐら!10/7付、日本国内興行成績

2007-10-15 00:39:55 | 映画のランキング
10/7付、日本国内興行成績

上位は前週と変化ナシ、「HERO」がダントツであとは
それなりの成績。


①HERO
全国の上映館も多く、まだまだぶっちぎり
100億への道をまっしぐら!
映画としての驚きはないが、無難な内容で戦略としては成功か。

31日公開で現在66億円


②クローズド・ノート

エリカ様の態度が注目された映画だけど
内容はそれほど話題になるほどのものじゃないが
丁寧に作ってあるので、映画以外で話題になったのは
ちょっと可愛そうな気がする。

8日間の成績は5億を少し超えたところ

③パーフェクト・ストレンジャー

ハル・ベリーはプロポーションの良さを最大限生かして
内容より彼女の美しさを再認識させた映画。

ラストのどんでん返しは予想の範囲内

こちらは8日間で5億まであと少し

④未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~

上位がしぶといため、このあたりでも大健闘か。

⑤幸せのレシピ

キャサリン・ゼタ・ジョーンズでは知名度はいまひとつ、
内容は良いのでもっと見てもらいたい作品

現在4億円くらい


⑥ファンタスティック・フォー:銀河の危機

日本ではこの手の映画はそれほどヒットしない良い例。

20日間で8億まであと少し


⑦ローグアサシン

ジェット・リーの名を持ってしても大ヒットは作れない、
作品の内容の良さも重要と痛感の作品


⑧ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

初日は大混乱の映画も一息ついた頃か。

6週目に入って16億は立派!


⑨エディット・ピアフ ~愛の賛歌~

この内容と衝撃的な内容、
こんなものかな。万人受けはしない。

⑩アーサーとミニモイの不思議な国


映画館は週末でもそれほど混んでない、
やはり毎週何か一つくらいは話題作を送り続けないと
予告でまた見たくさせるというのは重要なことだから。

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今回の10作品のうち8本は見てるが、みんなに
勧めたい映画はちょっと見当たらない。

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「ローグ・アサシン」ジェット・リーわずかに方向転換中!

2007-10-14 01:32:21 | 大作映画ハリウッド系
「ローグ・アサシン」★★★
ジェット・リー、ジェイソン・ステイサム主演
フィリップ・G・アトウェル監督、アメリカ、115分



無国籍な映画だ。
アジアの俳優のなかにジェイソン・ステイサムが
紛れ込んだというほうが正しいかな。

我らがリンチェイ様(ジェット)は
今度は中盤までは謎の存在で、
悪役なのか?と。

次第に明らかになる
全貌から、ある事実が分かってくる。

やはりただのアクション映画ではダメだと、
ストーリーをひねっているつもりだろうが、
肩透かしな感じだ。

そしてファンが待ち望むアクションシーンは
見事に裏切られる。
一体この映画のどこに楽しみを見つけたらいいのか。

華麗な型で見せるアクションでなく、
とっさに出る暴力的なアクションでは
ジェット・リーのファンは燃えないのだ。

姿を見せてくれるだけで嬉しいけれど、
物足りない気持ちで一杯になる、
これから彼はどんな姿を見せてくれるのか心配だ。

ただし次回作は撮り終えていて、
ジャッキーに招かれて共演しているそうだから、
まずはこちらの出来に期待したい。
アクションが減量中の二人だけど、
それでも熱のこもったシーンを満載とは言わないから、
納得のいくつかを見せて欲しいものだ。

とりあえず、元気な姿を見れただけで
善しとするか。

★100点満点で60点くらい、
映画としての出来もいまひとつ★

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズで
見えた最高の動きは無理としても
それらを思い起こさせてくれるシーンを見たい!

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ファン・ジョンミンが首位獲得・最新韓国国内映画成績10/7付

2007-10-12 20:37:01 | 韓国映画・アジア映画
韓国国内映画の興行成績10/7集計速報


①幸福
ファン・ジョンミン、イム・スジョン主演
ホ・ジノ 監督

ソウルでクラブを経営し、
都会の生活を満喫していた主人公。
店が潰れ、体も壊し
田舎の療養所に入ることになる。
そこでスタッフとして働いている
運命の女性と出会う。

かなりシリアスな映画のようだ。
見たいけど、日本に来るだろうか。

八月のクリスマスのホ・ジノ監督の最新作

②ラッシュアワー3

③愛
チュ・ジンモ、パク・シヨン、チュ・ヒョン主演
平凡に人並みに暮したかったが
この世に一人で残された彼女を
守るという十七歳の誓いを守るため
勝ち目の無い戦いに挑んでいく。

④The Nanny Diaries
⑤ボーン・アルティメイタム

⑥楽しい人生
チョン・ジニョン、キム・ユンソク、キム・サンホ主演

3年連続で大学歌謡祭に落ちて、
それを最後に解散したロックバンド「活火山」
あれから20年、再結成するが、果たして・・・。


⑦クォン・スンブン女史拉致事件
ナ・ムンヒ、カン・ソンジン、ユ・ヘジン主演


⑧アドレナリン

⑨上司父一体:頭師父一体3
イ・ソンジェ、キム・ソンミン、パク・サンミョン主演

⑩インベージョン

10作品のうち半分が韓国映画、
韓国へ行くと感じるのは
若い人がかなり気軽な感じで映画館へ行くこと、
そこでは軽めのコメディやラブストーリーが上映され
ホラーに声を上げている。

ただ、文句無しの名作は生まれにくい状況にあるようだ。

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今年は6月に一度ソウルへ行ったのみ、
そろそろ次の予定をたてようか。

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「エディット・ピアフー愛の賛歌」歌い上げる愛はあるか

2007-10-11 22:29:45 | ミニシアター系映画
「エディット・ピアフー愛の賛歌」★★★☆見ごたえアリ
マリオン・コティヤール 、 ジェラール・ドパルデュー主演
オリヴィエ・ダアン監督、イギリス、 チェコ、 フランス、140分



老婆が舞台のスポットライトを浴び、
歌い出すと40台後半という実年齢より
若く力強い声がホールに響く。
見た目と彼女への神様からの贈り物の対比が
あまりに残酷に感じる。

酒とドラッグと自動車事故の後遺症で
廃人にちかい姿をしている。

これが有名なエディット・ピアフなのかと
驚いてしまう、
シャンソンの印象と言えばドレスで
シンプルなバンドをバックに
人生の機微を語るように歌うものだと
思っていたが、第一人者のこの映画の主人公は
ちょっと想像出来ない過去を持っていた。

何かのその世界で秀でた人は
ひとかどの人物で
ああこの人なら、大きなことを出来たのだなと
納得できるような物語がある。

しかしエディット・ピアフはその点では
異質な存在だ。

どちらかと言えば、近くの人には好かれず、
相手の心を思いやるとかとは対極で、
たぶん自分ならこういう人は
煙たいだろうなと感じただろう。

それでも少女時代の不遇を取り戻すかのように、
自分の欲望に素直で、
望むものは何としてでも手にいれようとするところは、
やはり本当に手にいれたいものは
遠慮なんてしないで
手を伸ばさないと、するりと逃げて行くのだと
映画を見ながら感じた。

そして唯一情熱を注いだ「歌」に関しては
まさにプロとして対面していた。

その執念とも言える姿を見ていると、
簡単に手に入るものなんてないのだなと。

生きざまそのものが歌に表れるからだろうか、
歌だけとって聞くと
そんなにうまくは感じないのに
彼女の人生をまるごと知った上で
振り絞る声を聞くと、そこには人間の到達する
この世の楽園が見えるのだ。

シャンソンの見方が変わった映画だ。

★100点満点で75点、
おしゃれ系の映画と思って見ると驚く★

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オシャレ系の映画と思って見た人は、驚くだろうな、
でも現実は歌や小説より厳しく、でも美しい。

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