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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「奇跡のリンゴ」情熱と根性の物語

2013-06-19 17:42:33 | 邦画
映画「奇跡のリンゴ」★★★☆
阿部サダヲ、菅野美穂、池内博之、
笹野高史、伊武雅刀、
原田美枝子、山崎努出演

中村義洋監督、
123分、2013年6月8日より全国公開
2013,日本,東宝
(原題/原作:奇跡のリンゴ )





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初登場3位、翌週も3位キープと
作品の内容同様の粘り強い興業を展開
10億円に届くか。



「世界で初めて無農薬のリンゴの栽培に
成功した青森のリンゴ農家
木村秋則さんの実話を映画化、
大変な苦労の末に成功することが
分かっているから安心して見てられるが
情熱だけでは続かない、
ただ耐える根性だけでもダメ、
人間の創造力に感謝したい」



現在この農法が広く行われているのか、
それとも無農薬は特殊な方法なのか
そのあたりは分からないが

かつては大量に使いすぎて
人体に少なからず影響もあったようだ、
自分達は口に入るものでも
提供してくれる人達を
ただ無条件に信じて食べるだけなんだけど。



11年もの間、試行錯誤して
その間には家族の生活は破綻しかけ
それを全力で支える妻と義父
出来過ぎの構図だけど
これが真実の物語と
分かっているから受け入れられる

そうじゃなかったら
見る気はしなかったと思う。


阿部サダヲはいつもの濃い目の演技を
笑顔に変えて
嫌みなく演じていた

コテコテの演技だったら
この内容だとツライものになったが
ラストに用意された
真っ白なリンゴの花の満開のシーンで
全部調和された。


嬉しかっただろうな、
単純にそう思うけど、
ここまで努力したことなんてないから
彼らの感じた喜びは
想像するしかない。

リンゴの花が咲き誇るシーンを見ると
努力とか根性とか
粘り強い精神力とか
死語になりかかってる昭和な言葉が
本来は人間を成長させ
その喜びを知らしめてくれるのだと
実感する。

自分はただ美味しいリンゴを食べるだけだ。

それまで培われた方法の多くは
その時点で正しい
でも人間はそこにまだ改善の余地を探し
よりよりものを作ろうと努力する
その生真面目さが嬉しい、
そうでなくてはならないのだけれど。

特に生産者は「利益」も大切な要素だ、
だからその追究する利益に隠れて
もっと大切なものが損なわれないように

これは人間の基本的なものだけど、
それが難しいことも分かっている。


地味な映画で
展開も分かっているけれど
時々はこういう「良い映画」も見たくなる。


★100点満点で75点


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映画「グランド・マスター 」美しいもの、強靭なものも全て滅びていくのだ

2013-06-17 19:09:33 | 香港・アジア映画
映画「グランド・マスター 」★★★★トニー・レオン、チャン・ツィイー、
チャン・チェン出演

ウォン・カーウァイ監督、
123分、2013年5月31日より全国公開
2012,中国,ギャガ
(原題/原作:一代宗師/The Grandmasters )





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「20世紀初頭の中国が舞台。
北の八掛拳の宗師のパオセンは、
流派統一の任を後継者に譲ろうと考えていた。
一番弟子の馬三と、イップ・マン、
そして愛娘の宮若梅の3人は
グランドマスターの称号をかけて戦う・・・、
というのが予告編知識だったが
武術大会のような試合は行われない、
その意味で肩すかしだけれど
ウォン・カーウァイは監督の美学を貫いたようだ」



真のグランドマスターは誰か、
それはすぐに明らかになる

強いだけではなく、人格も求められるからだ、
そのどちらにおいても
南の詠春拳の葉問/イップマン(トニー・レオン)が
抜きんでているのは映画が始まって
すぐに明らかになる。


分かりやすい裏切りと復讐、
台頭してきた日本軍、
彼らは日本軍だけでなく、現政権にも翻弄され
そういった事実を描く事で
カンフーの真のマスターは?という
予告の持っていき方が
実際の本編とは違う事が分かってくる、
こういう裏切りは絶対にして欲しくないところだ。



カンフーの美しさや
実際のイップマンの生きた激動の時代は
自分の過去記事の「イップマン」↓
映画「イップ・マン 葉問」ドニー・イェンの魂の映画に感動した!
2011年03月23日(水)

こちらの方が詳しいし
カンフーシーンはやはりドニー・イェンが上。
トニー・レオンはちょっと精彩を欠いている。


しかしカンフーにこだわらなければ
カンフーの型の美しさや
背景としての雪や雨や煙る列車のシーンなど
とにかく格調高く流麗。



そこから発せられるのは
ひとつの時代は終わり
栄えるものはいつか没落し
それはカンフーしかり
闘いのシーンであっても
どかこ悲しく、切なく胸に迫る。

チャン・ツィイーも美しかった!



グランドマスターという名前は
真に強いものを決めるということじゃなく、
かつてこんな人達が
カンフーに人生を懸けていたと
その記憶を映像に残すという
この映画全体を示していたように感じた。
壮絶なカンフーを見たいと劇場に行くと
ホント、ガッカリすると思うので
予告や宣伝は慎重にやってもらいたい。


ウォン・カーウァイがカンフーを撮れば
この映画が出来上がる
納得の映像美だった。
新しいカンフー映画の決定版!とまではいかないが
何とも切なく美しい
カンフーでさえ滅びていくのだ


★100点満点で80点


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ブータン旅行記⑤ティンプー/Hotel Sambhav

2013-06-15 10:21:02 | ブータン王国2013春
ブータン旅行記⑤ティンプー/Hotel Sambhav

テォンプー市内/宿泊ホテル

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旅行から2カ月が過ぎようとしている、
早いものだ、
ブータンの最初の宿泊地は首都ティンプー、

土地勘が全く無いので
どんなところへ連れて行かれるのか
ホテルっぽいものは見当たらず
こうなったら連れて行ってもらおうじゃないかと
覚悟を決めたとたんに
「ここです」と白い建物の前で車が止まった。


海外旅行へ行く時は
最近はホテルにもこだわる事も多く、
ネットで検索して
部屋の広さや、繁華街からの距離なんかも
そういうことを調べてる時間も
もう旅行は始まっていて
結構楽しい作業だ。

けれど今回は完全な計画されたツアーで
事前にはおおよその日程が来たが
実際どうなるのか全く分からなかった、

でも旅が始まってみると
大名旅行のようで
快適でもある、
連れて行ってくれる所へ行く
そんな旅だ。

ホテルのロビーはこじんまりとしているが
案内された部屋は予想を上回って
広くて快適、
期待してなかった分
「いいじゃん」
早速荷物をほどいて
夕食までしばしの休憩。


ホテルの窓からは、道路を挟んだ場所にある
サッカー場が見える、
子供たちがカラカラと笑い声をあげて
走りまわっている、
その向こうには高級ホテルのタージタシが見える。



映画館が近くにあると聞いていたので
探しに出たが
雨が強くなってきたので早々にホテルに戻った。

夜になると寒くなった、
時折の車の音以外聞こえない
静かな夜。



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映画「G.I.ジョー バック2リベンジ」イ・ビョンホンが良いトコ取り!

2013-06-14 19:09:35 | 大作映画ハリウッド系
映画「G.I.ジョー バック2リベンジ」★★★★ブルース・ウィリス、チャニング・テイタム、
ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、
レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ出演

ジョン・チュウ監督、
111分、2013年6月8日より全国公開
2012,カナダ、アメリカ,パラマウント ピクチャーズ ジャパン
(原題/原作:G.I.JOE:RETALIATION)





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「オブリビオン 」を抜いて初登場首位で発進、
大ヒットまでの勢いは無いようだ。
当面は10億円が目標



前作の記事はコチラ↓
「G.I.ジョー★★★★ 」これぞハリウッド、何も考えず映像を楽しみたい
2009年08月11日(火)



「ハリウッド大作で『オブリビオン』が
観念的な“静”の映画だったが
こちらは、正真正銘のアクション大作、
色々突っ込みどころはあるが
とにかく大画面で迫力の映像を楽しみたい、
終わって何も残らないが
ひととき映画世界に没入するのも良い」



パキスタンで任務を終えたG.I.ジョーは、
襲撃を受けて多くの仲間を失ってしまう、
テロ組織「コブラ」はホワイトハウスを乗っ取り
世界を「核」で揺さぶり
自分達の想いのままに操ろうとしている。
このあたりは話が突飛過ぎて
リアルのかけらも感じないので
こういう設定って難しいなぁと実感。



こうなると壮大な計画の推移より
どう戦うかに興味が移る、

そこでストームシャドー(イ・ビョンホン)、
彼は子供の時の師匠に認められ無かった事から
悪の道に入っていくように前作では描かれていたが
実はそうではなかった・・・という
このハリウッド大作で結構な役回り
しっかり美しい腹筋も意味なく見せて
とりあえず良いトコ取り!


ヒマラヤの山寺でのチャンバラシーンや
切り立った崖を縦横無尽に飛び跳ねるシーンなど
見どころも多く
それを見るだけでも大画面で見る価値アリ。



多くの仲間を失ったということで
初代長官のジョー(ブルース・ウィリス)まで
引っ張り出してラストはもちろん
ヒーローが勝利して
メデタシ、メデタシ。

大味だし、話がでかすぎて
マンガにしか思えないが
アクションシーンだけ抜き出せば
それはこの暑さを忘れさせてくれる面白さ、
やはり大画面で。


★100点満点で75点

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映画「はじまりのみち」そんな時代もあった

2013-06-12 10:00:39 | インポート
映画「はじまりのみち」★★★★
加瀬亮、田中裕子、
ユースケ・サンタマリア、濱田岳出演

原恵一監督、
96分、2013年6月1日より全国公開
2013,日本,松竹
(原題/原作:はじまりのみち」製作委員会)




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「木下恵介監督の生誕100周年記念映画、
戦時中、木下が母を疎開させるために
リヤカーで山越えをしたという実話を基に
戦争にによって、映画を好きに作れないという事実や
当時の人々の様子が
丁寧に描かれている、
ラストは木下監督作品が次々登場する」



木下恵介監督の名前は知っているが
TVでも映画を見た記憶はない、
それでも監督が浜松出身と知って
急に身近に感じ、
映画の中でのセリフの「なまり」は
分かる部分も多くて
それだけで当時の人々の生活が
急にぐっと身近に感じた



監督としての功績を描いたわけじゃなく
中心は戦争で母親を疎開させるという
この一点だけ

脳溢血で思うように話せず
体の動かない母親をリヤカーに乗せ
兄とかなり険しい峠を越えて
山間の親戚の家までの2日間を描いている。


坂が急になれば
力は相当必要だ、
動きのゆっくりになったリヤカーの上で
その大変さを敏感に感じ取る母、
途中から雨が降ってくる、
彼らの息遣いが聞こえる。


宿屋に着いて
泥が跳ねて汚れた母の顔を
手ぬぐいで丁寧に拭き取る木下(加瀬亮)、

その仕草を宿の主人や
兄、荷物運びを頼んだ便利屋
皆が見つめるシーンはぐっときた、
大切なものを、いとおしむように
神々しい様な瞬間だ



昭和19年に手がけた『陸軍』の
エピソードが途中で挿入される、
戦意高揚の国策映画が求められた時代、
映画のラストで戦地に行く息子を
見送る母が泣くシーンは
その意にそぐわないと
次回作を中止させられたということ。



こうして身近な情報のほとんどが
国によって統制され
知るべき事しか、知らされないという
不幸な時代はわずか70年前に
この国の姿だったのだ。



自分達はあまりに豊かな自由を手にして
その使い道に途方に暮れているという
なんともぜいたくな時代を生きている、

これは戦後の日本人が望んだことだったが、
果たしてこの結果を
先人はどう思うだろう。


「息子に立派に死んで来いと願う母親はいない」
この言葉は他の状況で聞いたら
ピンとこないセリフだけれど、
この映画では胸にズシンと響いた。

そして作りたい映画が作れない時代を抜けて
その後、監督として作った映画が
次々に登場する、
深刻な顔も見えるが
手を一杯に広げて
明るく笑う男や女の姿が
涙で滲んでいく。


★100点満点で75点


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