社会科学上の不満

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ソ連崩壊の要因の一つは家電製品

2013-03-03 00:02:15 | 社会常識と教育

 旧ソ連崩壊の引き金の一つに家電製品があるそうだ。1980年代のソ連は最早米国に対処する国力はなかった。物流が滞りモスクワのスーパーに商品がなく、ただガランとしていた。庶民は腐った肉しか食べられないとデモを起していた。生産地の倉庫には農産物は有るが物流が上手くいかず滞っていた。改革のためにゴルバチョフのペロストロイアが始まる。西ヨーロッパの豊かな情報と共に西側(自由諸国)陣営の商品がロシアにも流入する。来日したゴルバチョフ夫人が東京のデパートでその商品の多彩さ多さに感激して買い物三昧したことがロシア国内で不評を買う。

アフガニスタンに侵攻したソ連はアフガンゲリラに相当の被害を受けていた。これは米国製個人携帯対空ミサイルスティンガーの影響だけではない。現地に物資が届かないのだ、それも最も使用する機関銃の弾薬が、食料同様工場には在庫がある。しかし現地までの移送が上手く行かない。勿論アフガンゲリラの攻撃があるが、根本的には現場に「何が必要か」の情報が、中央に上がらないという国家システムの問題であった。

 当時の日本共産党は「ソ連みたいな状況になる政治形態か?」の問いに、「我々は求める共産主義はソ連のそれではなく中国の共産主義だと」と答えたことが記憶にある。それでは国際法を無視し傍若無人に他国に進出し環境に配慮せず資源を食い荒らす、現在の中国が目指す目標なのか?国会での議席の減少は避けられそうもない。

1980年代に活躍しておられた長谷川慶太郎氏が著書で「ソ連崩壊」が経済面で起こることを多くの日本人は信じなかった。発表が早すぎたのか1970年代に出版された著書で読んだ記憶がある。 

 モスクワに西側の家電製品が入ってくる。ビデオデッキ、ウォークマン、電卓等が入ってくる。当時のソ連ではマネができないほど高度な技術だった。メイド・イン・ジャパンは当時のソ連でも大人気であった。自分たちには出来ない技術、それも白人ではない東洋人が作っている。「しかし日本だ、あそこの国は日露戦争でも我がロシアに勝利した特別な国だ。まああり得る」と言うのが当時ソ連の支配層と思っていた、ロシア、ウクライナ、バルト3国などの白人の共和国国民の認識だった。しかし、しばらくするとその自分たちに作れない家電製品が、メイド・イン・マレーシアやメイド・イン・インドネシアとなってくる。ここに来てロシア、ウクライナ、バルト3国などの白人の共和国の国民は大いなる驚嘆をもってこの事実をみる。オラウーウタンは森の人と言う意味だそうだ、オランダ人が命名したそうだ。マレーシアやインドネイアの人間の1部族と考えたようだ。オラウータンも現地人も同じ獣、これが一般的な白人の東洋人に対する認識だ。白人は人間でありその他の有色人種は獣とする、キリスト教国家の白人の考え方だ。その獣が、自分たち白人が作れない製品を作っている。この驚嘆は我々日本人には想像もできないものだそうだ。長年社会システムが停滞し生活に困窮する中で「獣(有色人種)に作れてなぜ我々人(白人)に出来ない、これは政治体制が悪いからだ」となり、エリッインの革命を多くの国民が後押しする結果となったそうだ。

 意外にこの「白人が人で、有色人種は獣」と言うことが、ここ400年近く世界を支配する思想であることを日本人は認識できない。一つには「名誉白人」なる特別な扱いを日本人が受けるためであろう。これは不平等条約を国際ルールに従い解消し日本を先進国にした明治の先人たちお陰であろう。明治の先人たちに、現在の日本人は感謝しなければならない。恵まれた状況では物事のありがたみがわからないという一例であろう。

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