外交とはドロドロしたものである。日独伊三国同盟が無ければ当時ドイツから中国軍に大量の武器が輸入されていた、武器の流入を止めることができなかった。代表的な武器はVz26と言う機関銃である。ドイツに占領されたチェコ製の武器である。優秀な機関銃でドイツ軍も自国のMG38やMG42の不足に採用していた。また、人造石油の技術はアメリカの石油会社との秘密協定で、その技術が日本に開示されることはなかった。ニュルンベルグ裁判で公表され、アメリカ議会で問題となった。戦争末期のドイツ空軍はこの人造石油で飛んでいたそうだ。オクタン価は85~95で米国製燃料のオクタン価100~120には及ばなかった。終戦後日本の戦闘機を米軍の燃料で飛行したら恐ろしいほどの性能を示した。当時の日本の燃料のオクタン価は81~90であった。日本も人造石油の生産を試みたが、海軍だけで年間500万トン必要だった時代に20万トンしかそれも粗悪品しか生産できなかった。恐ろしくコストが必要となるため、本家ドイツでも普及しなかった。
しかしその技術開発は第一次世界大戦の前と言うから驚く。日本が実績主義を棄てお勉強主義になる頃だ。権威ある学者様?が同意しなければ技術開発さえ進まなかった。現在も似たようなものだ。故に外国で研究発表する学者が多い。ノーベル賞は外国の大学に席を置く日本人の学者か京都大学の学者に多い。権威ある学者様?である東大に少ないのはナゼだ。この構図がはじまる頃である。トランジスタ、八木アンテナなど日本の学界は認めてこなかった歴史があるが、全く反省の色が無い。
この技術が第二次世界大戦前に実用化されていたら太平洋戦争を回避できた可能性は高い。開戦の御前会議に出席した当時の閣僚が「油のために戦しなければならんか」みたいなことを言っている。
メタンハイドレートの掘削を行ったようだが、同様に海水にはマグネシュウムが大量に溶け込んでいる。東京工業大学の矢野教授の技術でこのマグネシュウムを海水から生成できる。火力発電所はほぼそのままの設備で、マグネシュウム(熱量は石油の85%)を石油の代わりに燃やせるそうだ。しかもその精製にソーラーエネルギーを利用する。設備費だけの問題であるが。しかし政治家が興味がない。無知なのか?
戦前の人造石油と同じ過ちを踏むことだけは避けたい。