野党が「原発0」を打ち出し参院選を戦うようだ。相変わらず理想論だけで現実との乖離が自覚できていない。
家庭用電気は「交流電源」であり、蓄電はできない。その技術が実用化されればノーベル賞モノである。蓄電できるのは「直流電源」だけである。また、蓄電時には電圧の変動を嫌う。風力やソーラー発電のように電圧の変動が大きい場合効率が悪い。これらの事は中学の理科で習う。水力発電や地熱発電など電圧がほぼ一定しているため、そのままの使用も蓄電も容易である。
家電を始めてとする電気機器は、電圧の変動が+-10%を超えると異常を起す。風力やソーラー発電などの電圧の変動が大きい発電は、一旦「直流電源」に変換してもしくは「直流電源」で発電(この場合整流子などの消耗品を頻繁に交換しなければならない)し、蓄電し使用することが望ましい。使用時は「交流電源」に直交変換するためロスが生じる。生じるなどと生易しいモノではない。大半の電力がロスになる。非効率である。売電をされている方はお気付きだと思うが、電力会社はその公共性の性質上「キレイな電力」しか買い取れない。買い取らないのではない、買い取れないのである。
また、交流電源には、周波数の問題もある、周波数が乱れた電気は当然使用できない。東日本50Hzで西日本60Hzである。現在電力会社間の電気の融通もこの周波数がネックになっている。
3箇所しか周波数変換設備がない、この施設を増設することで東西の電力会社間の電気の融通率を上げる方が現実的である。
再度言うが、中学の理科で教えるレベルの話である。野党の政治家の皆さんは華々しい高学歴の皆さんである。TV局も技術の人間に尋ねれば済む話である。それとも政権が変われば物理法則も変わると考えているのであろうか?
そう言えば民主党が政権を執った直後、それまで「アルコール消毒はウィルスには無効」との広報を行っていた保健所が、ノロ・ウィルス流行時に各オフィスの入り口に消毒用アルコールを置くように指導した事例がある。知人が「政権が交代すると医学的法則も替わるのか」と中央区保健所に麻生政権時に保健所が配布した印刷物片手にネジ込んだそうだ。
このレベルでは国民は益々野党から離れていくと思われる。それとも国民全世帯の屋根をソーラ発電化さらに航路と漁場を無視して洋上風力発電所を多数設置して、数でロスを補う戦略か?現実的とは言い難いが。