シリアの化学兵器使用に対して国連の安保理が、米国、仏国対ロシア、中国とに分かれている。英国が武力行使から降りた。日本は対岸の火事みたいに思っている国民が殆どである。
しかし北朝鮮の存在を忘れてはいけない。英国のミリタリバランスによると北朝鮮の化学兵器の保有量は世界でも5指に入る。日本のマスコミは、テポドンやノドンの弾頭が核弾頭を装備すると思い込んでいるが、BC兵器でも装備可能である。
B兵器とは細菌兵器であり、天然痘ウィルスなど都会に打ち込まれた暁には核爆弾以上の被害を出す。C兵器とは、今回シリアで問題になっているサリンなどの毒ガス兵器である。1989年のBC兵器を規制するための国際条約をシリアは批准していないが、1929年の毒ガス製造規制条約はシリアも批准している。日本のマスコミは1989年の条約は報道するが、1929年の条約については報道しない。単なる無知なのか?それともロシアもしくは中国からのベクトルがかかっているのか?非常に疑問である。
BC兵器粉砕を目的とした場合、米軍が使用する弾頭は、ナパーム及びFAEB(気化爆弾)である可能性が高くなる。市民にも犠牲が当然出る。しかしこのBC兵器が周囲に漏れ出してはそれこそ被害が拡大する。病巣を摘出する場合多少正常な周りの細胞も摘出される。それと似たようなことだ。が、摘出された正常な細胞からすれば堪ったものではない。
しかし、米仏にとっては異国のことであり、そのBC兵器の拡散が悪夢である。テロリストに渡る可能性があるならば、その前に焼き払おうとする意図が見え見えである。仏の場合旧宗主国としての利権の確保がそれに加わる。
ロシアもシリアの港湾の利権を保証すれば、自国のテロリスト(チェチェエンやグルジア)にBC兵器が渡ることは避けたいはずである。中国も同様に新疆ウィグル自治区のテロリストにBC兵器が渡ることは考えていないのであろうか?
最もシリアは既にロシア製のFAEB(気化爆弾)を使用している。本年の7月8日に報道された。戦術核並みの破壊力がある。それを自国民に使用している。国連の調査団の発表である。
米仏の行動に問題があることは解る。ではこのBC兵器がテロリストに拡散した場合の被害まで考えての非難(責任を取る)をしているのであろうか?私には無責任にシリア攻撃を反対しているようにしか見えない。平和ボケの論理を戦地に押し付けているようにしか見えない。反対して招いた結果には責任を持つべきである。
BC兵器が拡散する前に破壊することが望ましい。拡散すれば一つ一つ探し破壊しなければならなくなる。これは現実には不可能である。今年の春先アルジェリアで起きたニッキのテロ、その武器は統治能力を喪失したリビアから流れてきたものであった。シリアが崩壊する前により危険なBC兵器を焼き払うと考える、テロリストに狙われる国の首脳の考えも理解できる。日本も狙われた国でないといいきれるのか?