社会科学上の不満

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一神教の国との外交

2013-09-24 00:02:43 | 外交と防衛

 狂信者たちにお聞きしたいことがある。貴方が敬う「神」とは如何なるモノか?キリスト教にしろイスラム教にしろユダヤ教にしろその経典は旧約聖書で構成される。旧約聖書が編纂されたのはモーゼの後の時代でBC1,200年ごろとされている。しかし中東にはそれ以前のBC3,000年ごろ、カナン神話やその一派と言われるウガリット神話があり、同じくBC3,000年前後のエジプトや更にそれ以前のBC4,000年前後のシュメールにもそれぞれ神話があった。つまり「神々」がいたことが、多神教であったことが、学術的調査で判明している。これも「神への冒涜」なのだろうか?

 BC1,300年ごろエジプトのファラオ、ツタンカーメンの父、アクエンアテンが人類で初めて一神教を採用している(ゾロアスター教のアフラ・マズターを崇めたのが最初と言う説もある)。これは当時1,000柱ほどあったエジプトの神々に神官がそれぞれおり、王朝への圧力団体のような形であったそうだ。まるで奈良時代の僧侶たちとソックリである、故に桓武天皇は藤原京そして平安京へと遷都したわけだ。その圧力団体である神官の権威をなくすため一神教を採用したようだ。アクエンアテンは暗殺されエジプト史から消されようとした痕跡があるそうだ。次にファラオになったのが少年王ツタンカーメンだそうだ、そして多神教に戻ったそうだ。その100年後エジプトの王子として育ったモーゼにより、一神教は完成し旧約聖書が編纂されたそうだ。

 AC330年のミラノ勅令までキリスト教は異端のカルトであった。ユダヤ教成立以前の神々は「悪魔」とされてしまった。当時の中東ではバール・ゼブルの影響は大きく、ユダヤ教最大の宗教的脅威であったそうだ。ウガリット神話の主神バール・ゼブルは旧約聖書に登場回数が多い悪魔である。これが後のキリスト教ではベルーゼ・ブブ(ハエの王)となり妻の豊穣の女神アスタロッテは、地獄の大公爵アスタロットとなり更に男になっている。

 一方東洋では、鬼子母神は人間の赤ん坊を食う鬼であったが仏が鬼子母神の子供を隠したため赤子を亡くした母親の気持ちが解り、赤ん坊を仏が返してくれた後は人間の赤ん坊を食べることを辞めたそうだ。故に改心し赤ん坊の守り神となった。境内に石榴があるのは人間の血の味に近いためだそうだ。また、インドの悪魔カーリーと芸能の神サラスバディが習合し弁天様になったそうだ、故に弁天様は呪詛の神でもあり、蛇の神でもある。

 この様に仲間を増やすのが東洋の宗教の特徴である。しかしミラノ勅令以前やモハメットが予言を行う前の西洋も東洋に近い状態であった。AC300年前後のヨーロッパやパルティアの時代、中東最大の「神」はミスラであり、ローマ帝国ではミトラとなり遠く日本では「光or蜜」(読みはどちらも「ミツ」)で伝わっている。

 一神教は他の神に容赦がないことを前提に考えるならば、日本人が得意の「皆仲良く」が世界で通用しづらい感覚であることが理解でると思う。

 余談であるが旧約聖書では「神の名」は殆ど出てこない。エホバやヤーヴェなどは「唯一の神」「我が主」とかだそうだ。聖書の外典にある「神の正体は、バール・ゼブルだった」と言う落ちは辞めていただきたいものだ。

コメント
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