社会科学上の不満

政治・経済上の不満のハケ口(左翼出入り禁止)
外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

お箸を握れない日本人

2013-09-02 00:01:15 | 社会常識と教育

 海外特に欧米諸国のテーブルマナーに関する意識は非常に高い。米国も高いが一般に日本人が目にする高級ホテル以外の米国人は、米国人が言うところの「低い『クラス』」の方々である。同様に欧州では「クラス」ではなくより明確な「階層」となる。ヨーロッパではこの「階層」は厳格であり、「異なる階層間」での結婚は困難だそうだ。勿論自由恋愛には関係がない。日本人はこの辺りが疎いようだ。

 欧米の諺に「躾ができていない子供は獣と同じである」と言うものがある。日本のように「子供は天使」だとの甘い感覚はあるがそれだけではない。勿論クラスや階層が低いと関係ないようだが。

 日本で言うところの「お里が知れる」と言う文化が色濃く残っている。その目安一つになるのがテーブルマナーである。日本では最近お箸を持てない方を多く見る、家庭での躾の状況を表すバロメーターでもある、嘆かわしいことである。食事の時が親子が一番接する時間帯である。もっとも高度成長期後半生まれの方、つまり現在の親に当たる方々でもお箸をもてない方が多数いる。

 その子供にお箸をもてるようになる躾は期待薄である。これは当時のTVドラマに影響が大きい、お箸を持てない役者(後に多くがパスポートの色が異なることが解る)が食事シーンで大活躍する。この影響も大きいと私は考えている。

 以前慶応大学幼稚舎の園長?(何と呼んだら良いのか)だった方と一緒に飲む機会に恵まれた。その方が仰ったことに「5~6才の子供の学力などどうなるか不明であるが、どの様な教育環境、躾ができているかは重要な要素であり、世間が非難している幼児のお受験も親を見ているのだ」とお話頂いた。お受験に奔走する親は先ず自らの行動様式をチェツクすることが先であると言う事だ。

 中国はこの辺りの事情に詳しく外交交渉にうまく利用している。欧米の首脳との会食は豪華な料理を振舞うが、お箸は象牙の滑り易いお箸である。これで料理を掴もうとしてナカナカ上手くいかない。テーブルマナーの失敗は日本人に想像がつかないほど欧米人には恥ずかしくショッキングなことである。翌日外交交渉であり中国側が心理的に優位にたって交渉を行ってきた。これを崩したのがクリントン米国元大統領である。彼はアーカンソー知事時代サンヨー(現パナソニック)の誘致に成功し何度も日本を訪れており、サンヨーの社員たちと飲み歩きお箸が使えた。

 私は、法事の時のお膳が嫌いで、なぜあの様に面倒なのかと子供心に不満たらたらであった。懐石になった途端楽でありがたかった。出てくる順番に食すればよく気が楽だった。

 その為か、ペイペイの頃社長や役員の接待に良く同席させられた。ここで決まる仕事に社長や役員が「できるか?」と尋ねてくる。「やらせてください」と返事する。当然社長や役員が接待でとってくる仕事だ大きな金額の仕事である。こうしてチャンスを掴んできた。

 最低限のテーブルマナーでも身に着けた方が良い。最低限でも現在多くの日本人はこの重要性に気付いてもいないし、お箸さえ持てないのだから。自分が社長や役員の立場となり取引先の同等の方と食事をする事を想像してみると良い。恥はかきたくないであろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする